私権原理から共認原理への大転換
344379 純粋な交換手段、期応関係をつくる手段としてのお金の使い方
 
小川泰文 ( 30 新潟 会社員 ) 19/03/24 PM00 【印刷用へ
お金や仕事に対する価値観がどんどん変わっていっているように感じています。

語り手のジョーさんは、「60歳のひもおじさん(元経営者)」から、「必要以上にお金を稼ごうと思うと、人のためにならないビジネスで稼ぐことになる」という話を聞いて、
「自分のための仕事=人に役に立つ仕事」の関係が成立しない仕事のありかたに違和感を感じたようです。

それでホームレスもやってみたということなのですが、仕事に対して、【対価をもらうことが目的】なのではなく、【人の役に立つことが】第一目的という、価値観の転換を感じます。

ホームレス時代に実践した「ヘルプマン」という活動は、いわゆる便利屋としてなんでも依頼を受け、御礼に気持ちを頂くという活動。
ヘルプマンのお礼としてパソコンをもらったこともあるようです。

この辺りは、リンクと同じ構造だと思うのですが、
便利屋のように、最初から見返りを求めず、気持ちでやり取りする関係は、「自分のための仕事=人のための仕事」という関係を求める意識にマッチしたやり方なのかもしれません。

既存の市場原理のように、まず対価の取り決めがあって、そのあと感謝等の気持ちがついてくる取引関係から、最初に気持ちや志のやり取りがあって後で対価がついてくる関係(贈与関係?)に可能性を感じます。
お金には市場に仕える"交換手段"としてのお金と、同時に市場を支配する"権力手段"としてのお金があるといいますが(リンク)、
権力手段が無効化され、純粋に、交換手段として、関係を作るための手段としての使い方が、実践されつつあるのではと感じています。

以下、きっかけは60歳のヒモおじさん。ジョーがホームレスを経験して学んだ「新しいお金の価値観」(リンク)より引用

聞き手:ジョーさんは、そういった“お金の価値観“を、いつから持っているんですか?

ジョー:ボク、20歳ぐらいのときにホームレス生活をしていた時期があったんですよ。19歳のとき、バックパッカーとして日本一周の旅に出ました。その旅がめちゃくちゃ刺激的で、終わったあとにその経験の講演イベントを行ったんです。
そこで、60歳でヒモをやっているおじさんと知り合いました。
(中略)彼はもともと何億と稼ぐ経営者だったんですが、「お金を稼ぐという行為で、社会の役に立つ限界を感じた」と話してくれたんです。(中略)ボクが思うに、「必要以上にお金を稼ごうと思うと、人のためにならないビジネスで稼ぐことになる」ということなんじゃないかなと。

たとえば、お医者さんがわざと患者を完治させずに、長く通院させて稼ぐみたいなやり方。

お金を稼ぐことだけ追求すると、「自分のための仕事=人のための仕事」というのが成り立たなくなってしまうことがあるんです。それで、そのおじさんは「お金をたくさん持たなくても、必要とされる存在になれば自由に暮らせるんじゃないか」と仮説を持っていました。それがすごく魅力的に感じて。
「評価経済の時代がすぐそこまで来ている!」と思って、「お金を持たない究極のライフスタイル」であるホームレスを実践してみたくなったんですよ。

聞き手:ホームレス時代は、どうやって生活していたんです?

ジョー:「ヘルプマン」活動というものを行ってましたね。ツイッターで何か依頼を受けて、そのお礼にお気持ちをもらうというものです。まあ「便利屋」みたいなものです。


「お金を払わなくても、こちらが何かすればもらえるかもしれない」って思うようになったんです。

ボク、ホームレス時代に本を書きたくて、「ヘルプマン」で助けた人に「本を書きたいからパソコンください」って言ったらもらえました。

聞き手:へええ…これまでの資本主義の考えとは違うように見えますね!

ジョー:ホームレスの経験があってか、ボクはお金持ちになりたいというより、自分が循環させるお金の量を増やしたいと思っているんですよ。

たとえば今回のクラウドファンディングで、たくさんの人がボクにお金を預けてくれました。

ボクはそれをワクワクする体験に変えて届ける。その応援者の期待に応えられたら、またお金を使ってくれる。

そんな循環ができれば、みんなの生活がもっと明るくなるんじゃないかなって思っていて。

お金って貯金していたら、何もできないじゃないですか。だから、一方通行じゃないお金の使い方ができる人が増えるといいなって思っています。

ホームレスの経験があってか、ボクはお金持ちになりたいというより、自分が循環させるお金の量を増やしたいと思っているんですよ。
 
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