社員の活力を引き上げるには?
344196 「給料の不満」は賃金制度改革では解消できない2
 
匿名希望 19/03/18 PM03 【印刷用へ
本来、管理職として現場を引っ張るリーダーに求められるのは、
・「部門をマネジメントする力」
・「部下を育成する力」
のはずです。しかし、日本の一般的な中小企業において求められているリーダー像は、実のところ次のようなものです。

・「経験が長い人」
・「部門で求められているスキル(営業力や現場での技術など)に秀でた人」
・「まわりとのコミュニケーションが上手な人」
・「まわりから頼りにされている人」
・「社長の親族」
つまり、自身がプレイヤーとして優秀であり、上司や部下とうまくやれる人が「いい中間管理職」なのであって、部下のマネジメントや育成を求められてこなかったわけです。本当の意味での中間管理職がいないのです。

これは決して、本人たちに非があるわけではありません。社長も周りもこの状況をよしとし、ずっとこうしたリーダーの存在を容認、いや黙認してきました。もっと正確に言うと、組織の成長のためにはリーダーの育成が課題だということは、誰しもわかってはいるが手がつけられず、結果として後まわしになっていたのです。

こんな状態の中で評価をリーダーにまかせて面談をさせ、その結果で賃金を決めても組織の混乱を招くだけです。

人事評価で従業員のモチベーションを上げるためには、リーダーの育成が必要不可欠です。どうすれば、部下を適切に評価、育成できるリーダーが育つのでしょうか。

私は本稿の冒頭近くで、「従業員100人未満の中小企業は『経営計画』と『人事評価制度』がうまく運用できていない会社がほとんど」と書きましたが、まさにこのことが、中小企業にリーダーが育たない原因だと考えています。

多くの中小企業では、経営計画が具体性を欠いていたり、経営計画と人事評価制度の結びつきが不十分であったりするために、理想的な人材像を従業員に示すことができていません。結果として評価基準があいまいになって、納得性の低い評価制度になり、社員も成長を実感できず、モチベーションが上がらない。会社が求める人材がどういうものか示されていないのですから、当然と言えば当然です。

では、リーダーが育つ経営計画、人事制度とはどういうものでしょうか。これは、「人材育成」という視点からそれらを捉え直せばわかりやすいでしょう。

経営計画を実現するためには社員全員が成長していく必要があります。そのためにはどんな人材に成長する必要があるのかを明確にすることが大切です。そしてこれを「人材育成目標」として「経営計画」に盛り込み、明示します。

方法としては「現状の人材レベル」を分析したうえで「5年後の社員人材像」を定めます。そして、そこに到達するための取り組みを「ギャップを埋めるために必要な課題」として明示します。この3つの要素で社員に現状と成長目標を把握してもらい、成長の必要性も実感してもらうのです。

この「人材育成目標」は、一般的な経営計画には盛り込まれていない場合が多いです。しかし、ビジョンを実現するためには人材の成長が不可欠です。ここを明確にしていないと、成長に向けた具体的な取り組みは個人まかせ、あるいは上司のレベルや考え方によってまちまちなってしまい、結果として、会社が必要とする人材レベルへの成長スピードを鈍化させてしまいます。

そして、この「人材育成目標」を「評価基準」に落とし込み、人事評価制度を運用します。

「評価制度」の真の目的は社員のランク付けにあるのではなく、会社の理念実現に向けた目標を達成するための人材づくりです。

そのために必要なのは次の4つの要素を評価制度に盛り込み、すべての評価基準を経営計画と密接に結びつけます。
 
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