人類の起源と人類の拡散
341720 体重のわずか2%の脳が、全エネルギーの24%を消費している
 
匿名希望 18/12/18 AM01 【印刷用へ
■ダイエットが流行っていますが、脳の健康からみてもこれは問題が大きいそうですね
 まったくその通りです。よくカロリー制限は寿命を延ばすと言われますね。これはもともと1920年代にロックフェラー医学研究所のラウスという、ノーベル生理学・医学賞の受賞者でもある研究者が、40%くらいエサを少なくして摂取カロリーを制限したマウスが寿命も長く、ガンにもなりにくいと発表したことがきっかけです。確かにショウジョウバエや回虫、マウスなど、小さな動物ではことごとくそれは当てはまります。ところが、さらに進化した動物、サルなどになってくると摂取カロリーを減らした方がいいかどうかはわからなくなってきます。人間ではどうかというと、当てはまらないと考えられます。
 なぜかというと、人間は脳が大きいからなのです。摂取エネルギーの多くを脳が使っている、つまり人間の脳は大食漢なのです。私たちの先祖は約600万年前に密林の樹上生活から地上に降り立ったと言われています。そのときの脳の大きさは現在のチンパンジー程度の400cm3でした。現生のチンパンジーはエネルギーの10%程度を脳に割り当てているので、最初の人類であるアウストラロピテクス・アファレンシスも同じくらいのエネルギーを脳のために使っていたと思われます。200万年くらい前に手を使う猿人、ホモ・ハビリスが出現すると、道具を使って狩猟を行うようになりました。ヤマイモのように地中深くにある食物もとれるようになって栄養状態も良くなり、脳の大きさは600cm3くらいまで増えました。さらに150万年ほど前になると、火を使う原人が現れました。それによって食べ物が消化されやすくなり、食物エネルギーを効率的に摂取できるようになって、脳も900cm3くらいになり、17%くらいのエネルギーが脳に使われていたと考えられます。そして現人類の脳は1350cm3くらいになり、エネルギーの約24%を使っているのです(図1参照)。
  私たちの脳の重さは1,450g程度ですから、これは体重の2%に過ぎません。この脳が、摂取する全エネルギーの約24%を消費しているわけですから、脳に十分なエネルギーを与えなければ脳の機能は障害され、老化も進んでしまいます。このように大食漢の脳の健康を考えると、粗食が良いなどとは言えないのです。
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