人工物質の脅威:大気・水・食品
340943 何のための保存か。缶詰食品に含まれているプラスチックが神経系に大きな影響を。
 
匿名希望 18/11/18 PM07 【印刷用へ
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缶詰のスープや野菜などを食べると、体に悪影響を及ぼしかねない化学物質の害を受ける可能性がある。学術誌「エンバイロメント・リサーチ(Environmental Research)」に発表された新たな研究報告は、24時間以内に缶詰食品を食べた人の尿からは、通常よりも高いビスフェノールA(BPA)が検出されたとしている。

プラスチックの原料として使われるBPAは、一部の食器や食品缶詰・飲料缶の内側のコーティング、食品用ラップなどに含まれている。私たちの体内にある一部のホルモンと分子の形が似ており、複数の動物実験で、大量に摂取すると生殖器や神経系などに深刻な問題を引き起こす可能性があることが示されている。

多くのメーカーが自主的にBPAの使用をやめており、アメリカでは哺乳瓶など幼児向け食器へのBPA使用を禁止している。また米食品医薬品局(FDA)は2012年、食生活の中で少量を摂取する分には害はないと結論づけている。

今回、スタンフォード大学のジェニファー・ハートル研究員(暴露科学)は、米疾病管理予防センター(CDC)と米農務省から入手したデータを分析。このデータには、人々の尿に含まれるBPAの濃度と、彼らの最近の食事に関する情報が含まれていた。

プラスチックと梱包材の研究を専門とする化学者のリゴベルト・アドビンキュラは、BPAが食品に溶け出すことについて、3つの可能性を指摘する。一つ目は、コーティング剤(樹脂)をつくる工程で化学反応しなかったBPAが樹脂中に残留し、食品に移行する可能性。二つ目は、缶が熱くなりすぎた場合に(熱に弱い)BPAの分子が分離する可能性。三つ目は、中の食品の油分がきわめて多く、コーティング剤が少量溶け出す可能性だ。

ハートルは、調査に参加した人(サンプル提供を行った代表的アメリカ人)の10%が、調査前24時間以内に缶詰食品を食べたことを確認。より多くの缶詰食品を食べた人は、尿に含まれるBPA濃度がより高かった。

尿中のBPA検出と最も関係があるという結果が出たのが、缶詰の果物、野菜、パスタとスープだった。ハートルは、BPAがスープやパスタに溶け出した主な理由は、缶詰の製造工程で殺菌のために行う加熱処理ではないかと考えている。こうした複数の異なる食材を含む食品は、その他の食品よりも入念な加熱が必要だからだ。

一方で、炭酸飲料などの缶入り飲料を飲んでも、尿からBPAは検出されなかった。

肉や魚の缶詰の摂取も同様に、尿中のBPA濃度上昇とは関連づけられなかった。これはハートルにとって驚きだった。ツナ缶のように油分が多い場合、コーティング剤からBPAが溶け出すと予想していたからだ。

この結果について彼女は、データの収集法が少なくとも部分的に影響している可能性があると言う。調査に参加した人々は食べたものについての記録をつけていたが、肉と魚に関する記録が混ざってしまっているものがあったからだ。

缶詰食品を食べて尿にBPAが検出される傾向は、大人よりも子どもの方が強かった。ハートルの研究を監督したジョンズ・ホプキンス大学の研究員ロバート・ローレンスは、この所見について、特に低所得世帯の子どもにとっては厄介だと言う。

「アメリカの低所得世帯の子どもにとって、できる限り新鮮な食材から適切な栄養を摂取し、調理済み食品や加工食品への依存を減らすことは難しく、この問題に目を向けることが必要だ」

FDAが安全とみなす基準を超える量のBPA摂取を回避するためには、手始めとして缶詰食品を減らすのがいいが、それだけでは不十分だとハートルは言う。

「新鮮な食材または冷凍食品が手に入るなら、そちらを選ぶことを勧める。また消費者が各企業に対して、BPAに代わる原料を探すよう圧力をかけ、その代替原料の安全性証明を義務づける法の制定を求めていくことが必要だと考える」
 
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