日本人と縄文体質
337431 現代に奇跡の技をつなぐ、伝説の石工「穴太衆」〜頭で考えるな、石の声を聴け
 
根木貴大 ( 43 静岡 営業 ) 18/07/22 PM08 【印刷用へ
【信長も重用した伝説の石工「穴太衆」―現代に奇蹟の技をつなぐ“超”技術集団とは?】より抜粋引用(LIFULL HOME'S PRESS)
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■穴太を制するものが戦いを制する
かつて日本に、城の石垣づくりを専門とする技術集団がいたのをご存じだろうか。戦国時代、各大名がこぞって召し上げた伝説の集団、その名も「穴太衆(あのうしゅう)」。戦国時代の城はその石垣の高さや強度さが戦いの士気を左右し、戦いを制するには「穴太」の力が求められたという。

なぜならば、穴太衆が得意とした「野面積(のづらづみ)」と呼ばれる自然の石を組み上げる石工術は、現代技術を凌ぐほどの強度を誇ったからだ。その技術力があってこそ、地震大国日本において、高さ数十メートルに及ぶ自然石を積み上げただけの石垣を今に残す。

そんな古代技術を奇蹟的に現代へとつないでいるのが、滋賀県大津市坂本を中心に活躍する「粟田建設」だ。現会長の粟田純司氏は「第14代目石匠」の名跡を継ぎ、平成12年には当時の労働省(現厚生労働省)から「現代の名工」に認定、平成13年には「大津市文化奨励賞」を、そして平成17年には「黄綬褒章受章」を授与されている。


■ジェット機1台分、250トンの加圧に耐える穴太の技
では一体、穴太の技術はどれほど凄いのだろうか。まず考えてみてほしい。現代の技術であれば支柱に鉄柵を入れてコンクリートを積み上げて強度を出すことは簡単だ。しかし、穴太の技術は漆喰などの接着剤を用いずに、単に自然石を積み上げただけ。高さを誇る石垣では篠山城の21mという記録もある。これはビルでいえば7階建てに匹敵する。それほどの高さの建造物を自然石を組み上げただけで完成させ、何百年も持たせてしまうことを考えれば、素人でもその技術力の高さを感じることができるはずだ。


■頭で考えるな「石の声を聴け」
現代の技術をもってしても超えられない「穴太」の技術だけに、「一人前になるのは最低でも10年」。しかも純司氏が先代に言われたのは「石の声を聴け」という徹底した現場経験の積み上げだった。

「実は私、大学卒業時には家を継ぐ前にまず県庁の土木課に入ろうと思っていました。当時はまだ修復工事などもあまりなく、石垣だけで会社を存続できるか不安だったんですね。そこで親父に内緒で公務員試験を受けて合格しました。ですが親父に「合格通知」が見つかってしまい、えらい怒鳴られました。“何を考えとるんじゃー。この仕事を一人前になろうと思ったら10年かかる。10年先から始めたらとうが立って覚えられへん。それだったら辞めてしまえ。わしの代で穴太はおしまいじゃー”と(笑)」(粟田氏)

先代の言葉に考え直した純司氏は、大学卒業と同時に家業を継ぎ、現場に足を運んだ。そこで先代に言われたのは「石の声を聴け」という教えだった。穴太の石の積み方は独特で、集積場に石を集めるとまずそこで1日、2日じっくりと石を眺め、頭の中で全体の構造を描いて石垣を組んでいくという。集積場から石垣に移した際に大きさにブレがある場合はノミで削ったりもするが、基本的には自然石そのままを据えた方が落ち着きが出ると粟田氏は言う。

「最初はね、“石の声を聴け”なんて言われてもなんだか分からない。こっちはメジャーを持って石を測っては石垣に押し込んだりしてたんですわ。でも親父の場合は、集積場で石をじっと眺めては“はい、これそっちに持ってって”とはめるとストンと収まる。『親父なんで分かるの』と聞くと『わしは石と話している』というんですよ。なんのこっちゃと思ってましたが、自分が11年目の時に、安土城の修復を任されました。いつもだったらメジャーで測るのですが、その時は集積場で石をみていると、何度も目につく石がある。それであの石持ってこいって現場に運んだらストンと合いました。なんだかね、石が“ワシを使え”と手を挙げているように感じたんですよ。ああ、これが親父の言ってた石の声を聴くということなんか、と思いました」(粟田氏)

“石の声”を聴いた方が圧倒的に現場はスムーズに動くという。まさに職人の技、経験だけが到達できる究極の世界がそれなのだ。


>かつて、城の石垣という守りの要に関わる技術を要した穴太衆には、技術を伝える文書や家系図は残っていない。今でいう軍事機密が敵方に渡らないため、一切の技術伝承は口伝であり、一族は表に出てはいけないものだった。粟田家が古代より脈々と技を受け継いでいるにも関わらず、15代と代数が少ない所以はそのあたりにある。一般的に過去帳や戸籍が作られるようになった江戸後期からの記録しか文書としては残っていないからだ。

しかし、技術は確実につながれている。古代からの秘技が現代につながれている奇蹟。いち日本人としても、粟田建設の方々に感謝をしたい気持ちになった。
 
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