試験・身分制度の根深い害
337019 ランドセルが巨大化した2つの勘違い
 
匿名希望 18/07/06 PM09 【印刷用へ
「巨大化」した経緯に問題がある

その解決のためには教育改革が必要だと私は考えています。ところが、その方向性が間違っているので、子どもたちがいろいろな形で被害を被る形になるわけで、ランドセルの巨大化もその1つです。

具体的には、次の2つの勘違いによって、子どもたちのランドセルが巨大化したのです。

「教科書を厚くして教える内容を増やせば学力が上がるだろう」「授業時間を増やせば学力が上がるだろう」

この2つの勘違いから抜け出さなければ、根本的な解決にはなりません。はっきり言いますが、教科書を厚くして教える内容を増やしても、授業時間数を増やしても、子どもたちの学力は上がりません。なぜなら、日本は小学1年生(35人学級)を除いて、長年にわたって40人学級のままだからです。1人の先生が最大40人の子どもたちに一斉授業をするのです。先進国でこれほど大人数の一斉授業をしているのは日本だけなのですが、この事実はあまり知られていません。

公立小・中学校の子どもたちの学力差は非常に大きいです。一を聞いて十を知る子もいれば、その逆の子もいます。授業が始まる前からすべて完璧に理解している子もいれば、いくら教えても理解できない子もいます。そして、学年が上がれば上がるほど、学力差は大きくなります。特に算数・数学と理科においては、どうしようもないほど大きくなります。私も教師だったとき、小学5、6年生の算数や理科の授業ではいつも苦労しました。

中学校の数学の授業を何度か見たことがありますが、先生の苦労は並大抵ではありません。私が見たあるクラスには、自主的に数学検定を受けるくらい数学が得意な子がいて、すでに高校の数学を学んでいました。同じクラスに、分数の足し算ができないとか、そもそも掛け算や割り算もあやしいなどといった状態の子どもも複数いました。

実に幅広い子どもたちが、同じクラスで同じ時間に同じ内容の授業を受けるのです。それが一斉授業というものです。長年小学校の教壇に立ってきた経験をもとに言わせてもらえば、小学校の先生たちは、ほとんどの場合、中の下くらいのレベルに合わせて授業をします。あまりレベルを上げすぎると、ついてこられない子が多くなります。かといって、レベルを下げすぎると、いつまでたっても次に進めず、1年で教科書の内容を終わることができなくなります。

しかしながら、中の下くらいに合わせても、それより学力が低い子たちはついてこられません。ですから、その子たちには個別指導が必要になります。ところが、個別指導をしたいと思っても、授業中に他の子たちはほったらかしにして、個別指導することはできません。休み時間に個別指導すればいいと思う人もいるかもしれませんが、実際には不可能です。というのも、そういう子たちは休み時間が楽しみで生きがいということが多いからです。休み時間や給食時間に友達とおしゃべりできるのが楽しみで、そのために学校にきている子も多いのです。その楽しみまで奪って個別指導するのは難しいことです。

それに、個別指導してそれでついてこられるようになるというならともかく、ほとんどの場合そんなに簡単な話ではありません。このようなわけで、教科書を厚くして教える内容を増やし、授業時間数を増やしても、大人数の一斉授業のままではその子たちはわからないまま座っている時間が増えるだけなのです。

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