もはや学校は終っている
337015 ランドセル巨大化と「学力低下」の意外な関係
 
匿名希望 18/07/06 PM08 【印刷用へ
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近所の大型スーパーに行ったら、ランドセルがたくさん並んでいました。来年度の新1年生用ランドセルの販売がもう始まっているのです。

驚くのがその大きさです。思わず「でかい!」と言いそうになりました。教科書が大きくなって、しかも厚くなったので、以前より巨大化しているのです。

かわいそうなのは、子どもです。ランドセル自体の重量も増したうえに、重い教科書をたくさん入れて、毎日登下校するのです。低学年で体の小さい子はたいへんです。でも、学年が上がっても楽になるわけではありません。なぜなら、学年が上がれば上がるほど持ち物が増えるからです。

教科書やノートだけではない、漢字ドリルや計算ドリルもランドセルに入れなければなりません。理科や社会がある日は、教科書とノート以外に資料集が必要になるかもしれません。そして、これが教科書と同じくらいの重さがあります。国語では、音読資料集も必要になるかもしれません。6時間目まで授業がある日は、どれだけ多くなることやら。給食セットや筆箱は毎日持ち運ばなければなりませんし、体育着、習字用具、絵の具セット、鍵盤ハーモニカなどが必要な日もあるでしょう。

まず心配になるのは体への悪影響です。成長中の子どもたちが、毎日の登下校で重いランドセルを背負い続けるのです。悪影響がないはずがありません。背骨への影響も心配ですし、姿勢が悪くなる可能性もあるでしょう。心理面においても、重い荷物が子どもに与えるストレスは軽く見るべきではありません。私たち大人でも、毎日の出勤で重い荷物を運ぶのは相当なストレスです。荷物が重いことで登校を苦痛に感じる子も出てくるでしょう。それが不登校の引き金を引く可能性もあります。

中学生では、リュックサックでなく、肩からかけるカバン(ショルダーバッグ)を使っているところもあります。この場合、体への悪影響はさらに心配です。同じ側の肩にばかりかけていると脊柱が湾曲してしまう可能性もあります。中学生は、部活動の用具も持たなければならないわけで、その重さも考えなければなりません。歩く距離が長い子はより深刻です。顎を突き出しながら、疲れ切った表情で歩く姿が目に浮かびます。

下記のようなニュースは、少し明るい希望を持たせてくれます。生徒たちのすばらしい取り組みによって、「置き勉」が可能になったのは、とてもよいことです。

繰り返しますが、この取り組みは本当にすばらしいです。でも、本質的な問題は別のところにあり、その解決のためには教育改革が必要だと私は考えています。ところが、その方向性が間違っているので、子どもたちがいろいろな形で被害を被る形になるわけで、ランドセルの巨大化もその1つです。

では、どうすればいいのでしょうか? いちばん効果があるのはやはり少人数学級の実現です。本気で教育改革をしようと思ったら、これを避けて通ることはできません。少人数学級の効果についてはすでにいろいろな研究がなされていますが、特に有名なのが、コロラド大学のグラス教授とスミス教授の研究で明らかになったグラス・スミス曲線です。これは50年間にわたって約300校を調査し、学級規模と学力の関係を統計学的に分析し、グラフ上に曲線として表したものです。

それによると、次のようなことが明らかになっています。

・学級規模が小さくなるほど学習の達成度が上がる。つまり、40人学級より30人学級、30人学級より20人学級の方が学力が上がる

・児童生徒の情緒面の安定についても、小規模学級の方が効果が大きい。つまり、40人学級より30人学級、30人学級より20人学級の方が情緒の安定度が高くなる(出所:最新教育データブック、時事通信社)

日本においても上智大学の加藤幸次教授らによる「学習集団の規模とその教育効果についての研究」があります。それによると、「小学校にあっては、すべての教科において、20人学級は30人学級より、30人学級は40人学級より学習の効果が高い(素点)ことがわかった。」ということです。

この他にも、同様の研究はたくさんあります。文部科学省のサイトには次のような例が出ています。

・米国テネシー州の実験(就学前〜第3学年)では、小規模学級(13〜17人)は通常学級(22〜26人)より優れた成績をあげた

・米国連邦教育局の公表「学級規模縮小:何が分かっているか?」では、低学年で学級規模縮小は有効。特に15人〜20人規模で顕著

・日本でも、広島大学、九州大学、名古屋大学などの研究において、少人数学級の方が有利との報告が出ている

このようなわけで、少人数学級を実現すれば、教科書を厚くして教える内容を増やしたり、授業時間数を増やしたりしなくても、学力が上がる可能性は高いのです。

そうすれば、ランドセルが軽くなるだけではありません。人数が減ることによって個別指導する余力も生まれるので、勉強がわからないまま座っている時間が少なくなります。勉強が好きになり学力も上がる可能性が高まります。1人ひとりに目が行き届くようになれば、情緒が安定し、いじめが減るかもしれませんし、たとえあったとしても、その発見率が高まります。ということで、欧米各国がすでに実現している少人数学級を、日本でもぜひ実現してほしいと切望します。
 
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