もはや学校は終っている
317841 「勉強する意味は?」と問う子に刺さる言葉
 
やおよろず ( 20代 兵庫 会社員 ) 16/07/30 PM06 【印刷用へ
リンク

先日、中3になる息子から次のようなことを聞かれて答えられず、どう話をしていいかわからなくなってしまいました。「クラスでトップ校にいけるのはせいぜい4〜5人。このまま僕が勉強してもトップ校には行けない。そこそこの普通の高校に行くために勉強して何か意味があるの?」石田先生であれば、どうお答になりますか?(仮名:福井さん)

◆これまでの教育が何だったのかと思わせる質問

おそらくこのような質問をされて、次のような返答をするのが精いっぱいではないでしょうか。

「今、勉強しておけば、いずれ役に立つから」「受験してそれなりの学校に行けば、将来の選択肢が増えるから」「このような勉強は今しかできないものだから」

これらの返答内容は、もっともであり、そのとおり正しいことでしょう。しかし、いずれも、「将来に向けて今やっておいたほうがいい」という、漠然とした未来に対して、今をつなげた内容になっていますね。ですから、言われた子どもが「?」となり、実感がわかない場合が多いのではないでしょうか。

「何のための勉強なの?」という質問、そう軽々しくは答えられませんね。本当に難しいと思います。

しかし、これは、多くの子どもたちが潜在的にも感じていることでしょうし、私たち大人も、このような本質的なことを意識して、今まで勉強していたのでしょうか?と考えてしまいます。

私がこれまで指導してきた子どもたちも、初めは、勉強はみんながやっているから、“当たり前のようにやらなければならないもの”と思って何の疑問も感じずにやっていました。真面目な子は特にそうですね。教育分野の世界では、そのように真面目にやっている子を評価し、そうではない子(勉強の意義に疑問を持っている子)に対しては良い評価を下さない傾向がありますが、実は、疑問を感じることこそ大切にしなければなりません。彼らの疑問はとても重要なものです。

◆勉強は何のためにやっているのか

次のような生徒との問答をご覧ください(これは実際に私が生徒にしてきた話です)。

生徒:「先生、このまま勉強して〇〇高校に合格できますか?」

私:「現段階では可能性としては入試で〇点以上必要だよね。内申点(学校成績)がすでに出ている状態だから、あとは入試のための点数がどの程度まで伸びるかによるね」

生徒:「でも、今やっている勉強って、もし志望校落ちるようなことになったら、意味なくなりますね」

私:「そうかな。今やっている勉強は、来春の入試に向けての勉強であることは確かだけども、その入試のためだけだと思っているの?」

生徒:「え、違うんですか?それ以外に、勉強の意味ってあるんです
か?」

私:「たくさん、あるんだよね〜」

生徒:「……」

私:「たくさんあるけど、2つだけ話をしようか。まずはね、頭の使い方が勉強になる。例えば、数学の因数分解ってあるね。あれは、複雑な形をした式が、いくつかの要素に分解したもので、成り立っているね。つまり、世の中の複雑な現象は、いくつかの問題に分解できて、その掛け合わせで起っているというように応用できる。
また理科では実験というのがあるよね。あれは、『多分こうじゃないか(仮説)と考え、それが本当にそうか実験して試す(検証)』という順序になるね。実は、この考え方は社会に出て働くようになれば当たり前にやることなんだけど、理科はただの暗記だと思って勉強していると、君の言うとおり、役に立たないね。しかし、このように問題への取り組み方、答えへの近づき方がわかっている人には、勉強したことが役に立っているんだよ。そう、学校の勉強内容すべてに意味があるんだ」
生徒:「そんな意味があるんですね。そういう話は聞いたことがなかったです」

私:「もうひとつはね、かなり重要なことなんだけど、それは自分の成長のために勉強があるということだよ。だからトップ校にいく人と比べて自分ができないという比較ではなく、1カ月前の自分と比べて成長したのかどうか、それが重要になるんだ。
また今、勉強して、仮に来年の入試で、自分が行きたい高校に合格できなかったとしても、今よりは成長しているよね。努力を続けた生徒は、来年2月には目標まで届かなくても、高校では、さらに伸びていくんだ。途中であきらめると、それが癖になって、何かあると諦める人間になってしまう。高校受験で人生が終わるんじゃないんだからね、人生にはまだまだ先がある。しかし、コツコツ努力し続ける人が、最終的に成長できる人になり、自分のやりたいことができるようになっていくんだよね」

生徒:「なるほど、そういうことなのですか!」

私:「だから、目先の受験のための勉強という意味も確かにあるけど、やるだけやって仮にダメであっても、その先でさらに伸びていける人になりたいと思わないか?」
 
List
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_317841
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
318025 「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」に対して答えを出す必要はない 匿名希望 16/08/04 PM09

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp