現代意識潮流を探る
312548 2009年以降続く図鑑本・図解本ブームの背後にあるもの
 
竹村誠一 ( 40代♂ 長野 営業 ) 16/02/22 AM11 【印刷用へ
今書店に行くと、あらゆるジャンルで「図鑑」が平積みになっている。
総じて低調な出版業界において、数年前から続く「図鑑」ブームは、異彩を放っている。ここ数年の流れをネットのニュースから追ってみた。

>子供向け学習図鑑ブームの火付け役になったのが、平成21年の『くらべる図鑑』(小学館)だ。乗り物の速さや建物の高さなどあらゆるものを比較してみせた同書は累計70万部超の大ヒット。従来は「昆虫」「魚」「地球」などジャンル別に取り上げるのが主流だったが、ユニークな切り口の編集手法で話題を集めた『くらべる図鑑』をきっかけに、新タイプが次々と登場。それまで図鑑を出していなかった出版社も参入するなど活況が続いている。

>学習図鑑だけでなく、写真集のような大人向けの図鑑も好調だ。平成22年刊行の『世界で一番美しい元素図鑑』(創元社)は、累計20万部のベストセラー。4月刊行の『世界一うつくしい昆虫図鑑』(宝島社)もすでに重版が決まっているという。
※産経ビズ「進化する『図鑑』」より

>今年6月に登場したのが第2弾の「いのちの図鑑」だ。これは幼稚園の年長組から小学校3・4年生向けで、ビジュアルを重視。見て楽しんで勉強にもなる“絵本感覚の図鑑”を目指したという。「子供たちを飽きさせないために、あえてテイストの異なる複数のイラストレーターに参加してもらっている」(PHP研究所・児童書出版部・副編集長・山口毅氏)。

 この図鑑の最大の特徴は「いのち」をテーマにしていること。これには昨年の東日本大震災が影響しているという。「あの大震災以降、生と死と向き合うことが多くなった。この図鑑では命の不思議やつながり、生き物たちの食物連鎖、そして命がなくなるとどうなるのか、という死後の世界観にも踏み込んでいる」(山口氏)。作家の柳田邦男氏も「いのちはなぜ大切なのか、このむずかしい問題を目で学べるようにしてくれたはじめての図鑑です」という推薦文を寄せている。
※日経トレンディネット「出版不況をぶっ飛ばす!? “新型図鑑ブーム”の深層」より

これは、事実収束(248136)の大きな流れが、2008年リーマン・ショックや2011年東日本大震災といった社会的な出来事を契機に一気に加速してきたことを物語っている。

最近は、世界史など社会科学の分野の「図解」本も数多く平積みされており、2015年には哲学の図鑑も10万部というロングセラーを記録(リンク)していることから、より広く深く社会の構造に迫ろうという認識収束(311297)の流れは、これからも確実かつ急速に進んでいくと思われる。
 
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3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
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