共認運動をどう実現してゆくか?
3099 インターネットの世界:7)バーチャル・ユニバーシティ
 
岩井裕介 ( 29 山口 再開発プランナー ) 01/04/11 PM10 【印刷用へ
7)バーチャル・ユニバーシティ

木橋哲夫さんの「バーチャル大学院開校」(2845)をもとに様々な方から意見が出ているようですので、私も少し考えてみました。

日本でも信州大の例に類する試みは、数年前からいくつか行われています。海外も含めた他大学との連携による遠隔教育や、一般市民層を対象とした通信による生涯学習の提供などです。
これらの試みは、単にインターネットを使えば便利になる云々で止まるレベルの話ではなく、その本質は大学改革にあるのではないかと考えています。
大学経営を巡る状況は厳しく、少子高齢化による学生数の減少から先々の経営基盤が危ぶまれています。そうしたなかでの生き残り策としてインターネットがツールとして導入されているわけです。

学生の絶対数はこの先もどんどん減るので、当然ながら社会人やリタイヤ層の学習の需要に応えることが目的となるわけですが、もうひとつの経営上の目的は、それと連動して大学教員を真っ当な社会的評価の外圧に晒すことでしょう。
大学改革のネックとなっているのは、既得権益にしがみつき現状維持に甘んじようとする教員であるとよくいわれますが、社会人やリタイヤ層の知的レベルや学習意欲は、総じて現在の学生よりレベルが高いでしょうから、当然評価も厳しくなります。

例えば、帝塚山大学ら5大学で99年に導入したTIESというシステムでは、教材などのコンテンツを大学間で共有できるよう整備し、さらにそれを無料で一般公開しています。
深読みかもしれませんが、これは実質的には、教科書をなぞっただけの講義を行う教員への解雇勧告とも受け取れます。教材や研究の成果などは全てオープンにして、その上でどうしても大学へ通って勉強したい者だけが行けばよいし、その需要に応えられるだけの能力を持つ教員だけが大学に残ればよいという、今後の大学のありようを示唆しているとも言えます。

大学の情報化に関して言えば、ひと昔前はパソコンをたくさん並べて情報○○学部などというのをつくれば学生を集めることができたのが、現在はその段階からもう一歩踏み出して、大学開放による質の向上と評価競争の段階に入りつつあるといえるのではないかと思います。

 
List
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_3099
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp