古代市場と近代市場
30707 解脱欠乏と交換で市場は生まれ、貨幣の統一で市場は拡大した
 
冨田彰男 ( 38 兵庫 経営管理 ) 02/05/12 AM02 【印刷用へ
>武力社会では私権闘争の圧力を活力の源泉としながら、生涯固定の身分制度によって、私権の拡大の可能性は閉ざされている。
  このことは、強い(私的)不全と解脱欠乏を蓄積させます。
>そしてその限界の中に、私権拡大の可能性を持った交換取引(それは明らかに武力闘争からの抜け道である)が生まれ、繁殖してゆく土壌があったのである。
  交換取引が繁殖してゆく土壌となったのは、蓄積された解脱欠乏だったのでしょう。武力闘争は力による制圧と力の序列共認によって統合されますが、解脱欠乏には充足を与えなければ統合できない、そこで取引原理が使われたのだと思います。

>古代・中世・近世を通じて、また西洋でも東洋でも、その身分によって生存を保障され、生存圧力を捨象した支配階級は、忽ち解脱収束して性欠乏を肥大させ、宮廷サロン(=規範破りの自由な性市場)で遊興に明け暮れる只の消費階級に堕落してゆく(実現論2_7_01)。
>国家に集積された巨大な富を消費する消費階級が存在する以上、その消費の場=性市場に、私権の獲得を狙う遊牧集団etc.が交易集団に姿を変えて、金・銀・宝石や毛皮・絹織物etc.を持って群がってくるのは、必然である(実現論2_7_02)
  最初に生存圧力から自由になった支配階級が、収奪によって蓄積した富と交換で手に入れた奢侈品で解脱欠乏を充足させたのが、市場の起源ということです。

 こうして交易市場が拡大しますが、解脱収束⇒取引原理も、互いに顔の見えない社会を統合するには、評価指標となる観念(お金)の共認が不可欠です。評価指標として機能するには貨幣価値の統一は不可欠ですが、最初は貨幣価値は不統一で商品流通が混乱して市場の拡大を妨げました。

 貨幣価値が統一されたのは意外と新しく、イギリスで貨幣価値を度量衡を統一したのは16世紀のヘンリー7世だそうです。国家が市場の評価基準を統一したというのは興味深い出来事ですが、最初に貨幣基準を統一したことが、その後イギリスが市場世界を制覇した大きな要因だったのでしょう。

 
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