健康と食と医
298144 「日本女性はやせ過ぎている」 日本の若い女性の栄養状態は開発途上国並
 
ryujin亭 ( 60代 神奈川 営業 ) 14/11/20 PM09 【印刷用へ
殆ど効果がないことが明らかになっているサプリメント市場は今や1兆円市場とのこと。
なかでも相変わらず女性のダイエット願望は衰えを見せません。最近は厚労省の「メタボ罪悪視」誘導により男性にも広がりつつ有るようです。リンク

この行き過ぎたダイエット志向から来る低栄養化、特に若い女性のやせ過ぎに警鐘を鳴らす記事がありましたので紹介します。(雑誌「選択」2014年11月号「不養生のすすめ」(医学博士柴田博)より引用・抜粋)
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低栄養は感染症と結びついていて、平均寿命を低くする。考えてみると百年前までは人類のすべてが低栄養であった。人類の遺伝子は、四万年あまり前から変わっていないとされている。
いつの時代にも、100歳を超えた人は、数は少ないが存在した。(中略)
 
遺伝的には100歳まで生きる人類も、諸々の民族の平均寿命でみると、百年前までは50歳に満たなかった。19世紀の終わりから20世紀のはじめに、平均寿命50歳の壁を突破する民族や国民が出現したわけである。それまでは、人類全体の栄養状態が悪く、感染症を克服できなかった。

以前本コラムでも述べたように、肉を豊かに食べるようになった国々の順に平均寿命50歳の壁を突破した。肉の摂取の多い国から順に感染症が減少したからである。オーストラリアの37分の1しか肉を食べていなかった日本人の平均寿命は、30歳代後半に低迷していた。

戦後、欧米先進国に半世紀遅れで平均寿命50歳の壁を突破した日本人は、その後大躍進した。
戦後四半世紀で、平均寿命は世界のトップグループの仲間入りをしたのである。
それ以来、男性の平均寿命の世界的なランクは、やや低下しているが、女性のランクはつねに1〜2位を保ってきた。
そのため、日本の女性の食生活やライフスタイルは世界の範になるとのオプティミズムが横行している。
和食が世界遺産になったことも後押しし、一種の日本食ブームのような観さえ呈している。

しかし、筆者がくり返し警告しているように、日本の女性の食生活や栄養状態はきわめて危機的状態なのである。正確にいうと70歳以上の高齢者を除く女性ということになる。
日本女性の平均寿命の高さを支えているのは、高齢女性の食生活や栄養の優秀性によるのである。
周知のように、平均寿命には、すべての年代の死亡率が関与する。
しかし、若い世代の死亡率は、高齢者のその1%にも満たず、寄与は小さい。しかも自殺や不慮の事故が主要死因なので栄養状態はただちには平均寿命に影響しない。
問題は、この若い年代が中高年になった時に、何が起こるかということである。

 国民の栄養状態が年代別に示されるようになったのは、1995年以降である。この四半世紀に国民のカロリー摂取量は低下しているが、それは、20〜30歳代と1〜6歳児に著しく、70歳以上には低下がみられない。

今回は栄養の指標であるBMI(体重(s)/身長(m)の2乗)からみた日本の若い女性の低栄養について述べたい。左の図(省略)は成人女性のやせ過ぎ(BMI18・5未満)の比率を一人当たりGDP別にみた国際比較データである。
日本女性の比率は、GDPが高い国の中ではきわめて高い。開発途上国並みである。韓国女性にも日本女性と同じようなスリム志向があることが分かっているが、やせ過ぎは日本よりかなり少ない。

注意すべきは、この図のやせ過ぎの比率は20歳以上のすべての女性の平均であることだ。20歳代にかぎると21・8%に達するのである。図で明らかなように、やせ過ぎが20%を超えているのは、GDPが五千PPPドル未満の国ばかりである。筆者が事あるごとに、日本の若い年代の栄養状態が開発途上国並みであると主張している理由がご理解いただけるであろう。

日本の20歳代の女性のやせ過ぎ比率は時代によって大きく異なる。日本が世界のトップレベルの平均寿命になった1980年は12・6%に過ぎなかった。90年には18・3%、2010年には、24・6%に達した。図のデータは11年のものであるが、12年も24・4%となっている。実に4人に1人がやせ過ぎである。

この間、低体重児(生下時2500グラム未満)も増加している。1980年には、全出生児中低体重児は5・0%、2000年8・4%、11年9・6%と、30年間に倍増しているのである。
「小さく生んで大きく育てよ」などという諺もあるが、1〜6歳の低栄養化が著しいので、大きく育てようがない。

日本人の低栄養化をもたらした主要な責任は保健・医療・栄養の専門家にある。もちろん、その専門家の誤謬を見抜けなかったジャーナリズムや行政にも責任の一端はある。
ともあれ、思想の発信源はつねに専門家である。妊婦にダイエットを強い、生まれてきた子供に肥満予防と称してカロリー制限をし、根拠のないメタボ健診を強いて中年期の栄養も劣化させた。

我田引水になり恐縮であるが、老年学の専門家のみは、「日本の高齢者には、栄養の丁度よい人と低栄養の人しかいない」と主張してきた。
ようやく小児保健の専門家が低栄養に危機感をもち始めた。
しかし、「低体重児は将来メタボになるからダメだ」などと言っているようではダメなのだ。
                          引用終わり
 
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