心の本体=共認機能の形成過程
294645 社会的な不整合同士のマッチング
 
HAYABUSA ( 40代 東京 ) 14/08/30 PM07 【印刷用へ
 これまで、未開部族や歴史的な点から、高齢者の役割や集団の期待に応え続けている事例を調べてきた。そのなかで、総じて感じることは、高齢者の存在が全体の中で「整合している」ということだ。ピタッとはまる役割や期待があるし、集団全体としても高齢者の存在を前提にして意識が統合されている。

 一方、そのような視点で現在の状況を考えると、まったくもってピタッとはまっていない。制度上も意識のうえでも、高齢者の存在が「不整合」を前提に位置づけられているように思われる。定年退職の慣習や年金制度などに感じる違和感は、あえて不整合な世界に高齢者を引き摺り下ろしているところに端を発するのだと思う。したがって、高齢者の役割創出や組織化、事業化は、社会的な不整合を整合させていく一部として考えられるだろう。このとき、高齢者の周辺にある不整合だけに目を向けるのではなく、社会全体の不整合な面に目を向け、不整合同士をマッチングさせるように考えると良いのではないか。

 たとえば、高齢者の役割が無いことは社会的な不整合の一つである。他方、現役世代が子育てに悩んでいることも社会的な不整合の一つである。この二つの不整合をマッチングすると、幼老統合ケアという発想につながる。それは歴史上、普通に行われていた整合性のあるやり方であると気付く。
 また、幼老統合ケアといったとき、その場所をどうするかという課題に対しても、同じようにアプローチできる。

 本来、建物の居室は常時人がいることが前提であろうが、今の世の中には、空家が数多く存在する。建物があるのに人がいないという不整合。事例としては、各地のアーケード型商店街。古いアーケードは完全に斜陽。ゴーストタウンになっているところも少なくない。

 これに対して、物販だけにこだわって再生しようと試みているところに不整合が介在する。どんなに評判の良い店舗を引っ張ってきても、賑わいがなければ商店街に魅力はない。そこで、遊び場がないという子供たちが抱く不整合感とマッチングすれば、賑わいが蘇り人を引き付ける空間として再生し、結果として物販店舗も復活できるのではないか。
 
 活動の場所という問題に対してもっといえば、日中に人(客)が来ない、すなわち遊んでいる空間もたくさんある。たとえば、カラオケ店、学習塾などは夕方以降の商売だ。これは微妙な不整合感ではあるものの、そこを整合させるように事業者にアプローチすれば、活動の場として日中だけ安価で貸してもらえるかもしれない。繁華街はたいてい鉄道の駅に近いので、働く親たちのニーズにもマッチする学童保育が出来るかもしれない。

 当たり前と思えば気付かない。そんな日常に対して「整合本能が捉えた不整合感」を逃さず接していく。すると、思いがけない不整合同士のマッチングが社会的整合性につながっていくことに気付けそうな気がする。いかがだろうか。
 
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