生命原理・自然の摂理
29387 共に進化
 
高田敦 ( 30代 大阪 塾講師 ) 02/04/25 PM01 【印刷用へ
吉国さんの投稿(29176 生物多様性のなぞ、その実現構造、その2)を読ませていただき、再び共生と生物の進化について考えました。

花を訪れる昆虫は、蜜をもらうかわりに花の花粉を運ぶことで、お互いに利益を得ているのでしょう。花をつける植物の側では、より多くの昆虫を引きつけることができるように、花の色や形や蜜の成分が進化するのでしょう。昆虫の側では、蜜がよりうまく吸えるように、口の形が進化するかもしれません。

また、牛の胃に棲む微生物は、ウシが餌をもたらしてくれるかわりに、餌の成分であるセルロースを分解してウシの消化を助けているといわれています。さらに、ウシの胃の中で死んだ微生物は、タンパク源としてウシに利用されるようです。ウシの方でも、微生物が草を発酵、分解しやすいように大きな胃を進化させ、また微生物もウシの胃の中でうまく繁殖し、ウシには害を与えないような性質をもったものが進化する…。この微生物は、ウシの子どもが母親のフンや口のまわりをなめることで、代々伝えられていく…。

こうした進化は、共生関係にある生物同士による共進化といえるのではないでしょうか。

さらに、(この進化論でも何度が登場していますが、)密接な共生関係が進化したものとしては、細胞とその器官である葉緑体やミトコンドリアとの関係が知られているようです。葉緑体やミトコンドリアは、はじめは独立した生物だったと考えられているようですが、現在では、一つの生物の細胞の器官として機能しています。宿主の細胞に有機物やエネルギーを供給する代わりに、細胞内で保護をうけ、維持に必要な成分をもらっています。

このように、共生関係には、別々の生物間にみられるものから、一つの生物体のようにふるまっているものまで多彩のようです。この共生関係の進化もまた、「他の生物と共生する」という性質が、自然選択によって同じ生物集団の中に広まった結果なのでしょう。

ウシが微生物と共生するように、一つの生物の遺伝的な変化ではなかなか進化できない能力、(例えばセルロースを分解するというような能力)でも、遺伝的に違った性質をもつもの同士が一緒になって、新しい性質を獲得するということができるようです。このように見ていくと「進化」も1種だけのものではなく、多種生物同士の共同作用による新しい性質獲得もあるといえるようです。
 
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