私権原理から共認原理への大転換
29325 「所有価値」から「利用価値」への転換
 
岩井裕介 ( 30 山口 再開発プランナー ) 02/04/24 PM10 【印刷用へ
>これからは金をどれだけ稼いだかだけでなく、その金をどのように使ったのかという消費のあり方も評価の対象に成っていくだろう。
29283『消費の自由のいかがわしさ。』玉川泰行さん)

お金の「蓄積」と「自由消費」から「利用」へ、言い換えれば、「所有価値」から「利用価値」への転換が起こっているというご意見は、言われてみればなるほどそのとおりの新鮮な視点であると感じます。

企業経営という生産行為の局面でも、このデフレの時代においては、どれだけ資産を「所有」しているかではなく、限られた期間に人、モノ、カネの資産をどれだけ有効に「利用」できるかで企業の優劣が決まる、という状態です。言うまでもなく、認識生産・意識生産においてはなおさらのことです。

また、この「所有価値」から「利用価値」へという構造は、「知」と「認識」の地平でも、類比的に同様のことが言えるように思います。
※参考28902『「認識の利用価値」と「生成プロセスに立ち会うこと」』
従来の「知」は、身分保障の道具となっていたため、供給サイド(知識人他)の「所有価値」に近く、それとは反対に、「現実を対象化する認識」とは、使ってナンボの実際の「利用価値」が要である。 

しかし一方で、この「所有の論理」というものは、考えてみれば、非常にやっかいな観念でもあります。「自分の・・・」という所有の論理は、土地や金銭などの「もの」にとどまらず、「他者」(子ども、夫、妻、彼氏、彼女・・・)や「自分という存在」(身体、アイデンティティ、人生、やりたいこと・・・)にも敷衍されているからです。

制度的・観念的に、社会はこうした論理に覆われ、それが個人の権利を保障しているわけですが、一方で、人々を閉塞感や喪失感に追い詰めている構造にあり、実は、皆「自分の・・・」という観念をもてあまし、本当はそんなものをもはや望んでいないのではないか、とも思います。

>子育てを協働しようとすると、きっと「自分の子」という概念を捨てなければやっていけない。
29013『子育ての位置づけ』吉岡摩哉さん)
上の投稿が端的に示すように、男女・婚姻・生殖という根源的な地平においても、所有の論理はもはや足かせ以外の何物でもなくなってきているように感じます。

こうした「所有の論理」と「自己決定の論理」の桎梏を超えて、本源収束・評価収束に根ざした現実的な「利用価値」「応望価値」を実感できる仕組みが、ありとあらゆる場面で要請されてくるように予感しています。
 
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新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代)
新しい潮流2 私権統合の崩壊と社会収束の潮流(’90・’00年代)
新しい潮流3 社会不全⇒認識欠乏の蓄積
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
新しい潮流5 実現派は仲間収束から社会収束へ
新しい潮流6 解脱仲間から認識仲間への逆転
仲間圧力と認識仲間
新しい潮流は、新しい人間関係を必要としている
市場社会の、カタワの「集団」
本当は、「集団」に入ったのではなく、社会に出たのだ
古い人間関係は、影が薄くなるばかり
関係パラダイムの逆転1
関係パラダイムの逆転2
活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること
収束不全発の適応可能性の探索、その深くて強い引力
充足基調から探索基調への転換
'90年代の危機感と変革期待の行方
秩序収束と答え探索の綱引き
潮流2:戦後日本の意識潮流
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流
今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる 
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
市場時代の共認非充足の代償充足⇒解脱(芸能)埋没
'70年〜現代 収束不全⇒本能的な秩序収束⇒課題収束⇒認識収束
現代〜近未来 対象への同化こそが新しい認識を生み出す
大学生が授業に出るのはなんで?
「やりがい」に潜む社会的欠乏
カリスマ 〜自分たちが共認できる価値観への評価収束〜 
仲間収束 2:一人でできない子
「働きたいから働こう」という意識
快美欠乏に替わって、認識の統合が最高価値になった。
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
芸能か、認識形成か

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