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生物多様性のなぞ、その実現構造2 |
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吉国幹雄 ( 49 鹿児島 講師 ) |
02/04/23 AM00 【】 |
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4月10日付けの読売新聞で次のような見出しが目につきました。
「生物多様性の謎 相互作用で解明へ」
四方哲也阪大助教授らの学説が「ジャーナル・オブ・モレキュラー・エボリューション」の第一回最優秀賞に選ばれたそうです。「複数の種が住む環境では、適応能力の高い種だけが生き残るのではなく、どこかで共存関係が成立し、時と場合によっては勝者が入れ替わる」とし、優れた種しか生き残れないとする進化論だけでは説明できなかった、生物多様性の謎解きに繋がる成果として世界に認められたということだが、…
「四方助教授らは、必須アミノ酸の一つを作る酵素の遺伝子について、活性の強さを少しずつ変え、その他の遺伝子は同一の大腸菌を数百種作成。培養槽で増殖度を競争させた。すると、世代交代を重ねるうちにほとんどの種類は滅びたが、最終的に一種だけにはならなかった。培養槽全体の8、9割を占める種が出ても、その他の種も生き残り、共存していた。
同じ条件で培養を繰り返しても、特定の種が最大数に達せず、あるときはメジャーだった種が、別の場合は途中で消滅した。酵素の活性が高いほど、生き残るとも限らなかった。この結果について、研究グループは「生物間の相互作用」が鍵を握ると見る。勝ち残ろうとする種の代謝産物が細胞膜から漏れ、他の種にも行き渡る。すると、環境適応能力を少しずつ拝借して変異を遂げる種が現れ、共存が始まる。逆に代謝産物を取り除いて、相互作用が起こらない条件にすると、適応能力の高い種だけが生き残った。
『他者と影響しあうことで、さまざまな能力を持った個体が現れる。だからこそ、地球上で生物の多様性が成立した。環境と遺伝子によって勝者が決まるわけではないようだ。』」
人工培養での実験は、現実の環境を再現するわけではないので、そのまま全面的に正しいとはいえないと思いますが、確かに種同士(個体同士)の他者との協同作業での適応という指摘は十分にありうる話だと思います。が、果たしてそれで多様な生物の出現を説明しきるかどうか。
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