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恋愛至上主義ゆえに結婚制度が壊れ、家族が消失する |
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「なぜ恋愛感情を狂信的に崇拝すると、結婚制度が壊れるのか」リンク
日本も含めて、現代文明を受け入れた国々の多くはすでに結婚という制度は崩壊しているか、崩壊の途上にある。結婚という制度はもう形骸化してしまっているのだ。
日本でも1972年の109万9984件をピークに、あとは急減しており、2013年は66万3000件にまで落ち込んでいる。
ところが、逆に離婚は1974年は11万3622件だったのが、2013年は23万1000件となって2倍以上の伸びだ。
離婚が伸びているというのは、要するに「家族の破壊」が増えているということでもある。現代は、大切な人間関係が成就している時代ではなく、大切な人間関係の破壊が進んでいる時代なのだ。
3人に1人は離婚している。離婚は珍しいものではなくなっている。むしろ、結婚生活が10年、20年も続いているということが「すごい」と珍しがられる逆転現象も起きている。
◆結婚制度はこれからもどんどん形骸化していく
日本における結婚制度はこれからもどんどん形骸化していくのは間違いない。なぜなら、結婚制度を破壊する文化的な要素が現代社会には満載だからだ。結婚が成り立たなくなっている理由は様々なものがある。
あまり指摘されていないが、現代社会で結婚が維持できにくいのは、「恋愛の自由化」も要因としてある。
かつて、日本の結婚には見合いというものがあって、恋愛感情がないまま結婚することは珍しいことでも何でもなかった。親が選んだ相手と、素直に結婚していた。
親が選んだ相手と一緒になるというのは、恋愛至上主義の私たちから見ると信じがたい結婚形態のように見える。自分の人生を親が勝手に決めるのだから、個人主義の浸透した現代人には想像もできないかもしれない。
しかし、世界を見回すと、そういった「見合い結婚」は珍しいものでも何でもない。人間は愛がなくても結婚できる。実は、そういった形式の結婚が当たり前だった時代では、皮肉なことに結婚は長続きした。
離婚が容易でなかったという理由もあるが、実は本人同士も「自分の感情など関係なく一緒にいるのが結婚だ」という義務的な意識があったからだ。
しかし、自由意思での結婚、あるいは恋愛の成就としての結婚の場合はそうではない。恋愛感情が結婚の動機になった場合、恋愛感情が消えたら一緒にいる理由も消えてしまう。
恋愛に重きを置くカップルであればあるほど、恋愛感情が消えてしまった状況の中で一緒にいるのは無意味に感じるようになる。「好きでもないのに、なぜ一緒にいるのか?」ということになってしまうのだ。
◆「性格が合わない」という理由の前にあるもの
離婚の理由の第一位は、男女ともに「性格が合わない」というものだ。しかし、実際はそれ以前に「恋愛感情が冷めた」という双方の感情の変化がある。
現代人は、メディアに洗脳されてしまっており、異様なまでに「恋愛至上主義」となっている。しかも、自分が恋愛主義に毒されているということすらも自覚できていない。
これは、恋愛という感情に、客観的になれないことを意味している。一種のカルトのようなものだ。恋愛という感情を、不必要なまでに崇高なものにしてしまう。
その結果、恋愛感情に狂信的になり、恋愛感情を否定することができない。
恋愛感情に狂信的になるというのは、それを求めるということでもある。だから、結婚した相手とは恋愛感情が消えても、別の誰かと恋愛することになる。
結婚相手以外の誰かを好きになる。そうなると、ますます結婚を維持する理由がなくなっていく。こういった恋愛感情による結婚のはかなさに本能的に気付いている人もたくさんいる。
◆恋愛感情は冷めるし、恋愛感情は移り変わる
「誰かを好きになって結婚しても、恋愛感情はいずれ冷めるのだから、好きで結婚しても意味がないのではないか?」
本能的にその部分に気付いた若者は、結婚制度に懐疑的になる。むしろ、結婚しないで付き合い、壊れたら別れ、戸籍を汚さない方がメリットがあると考える。結婚が晩婚化しているのも、結婚を選択しないのも、そういった恋愛至上主義に対する懐疑的な感情が裏側にあるからだ。
そして、日本のみならず、世界中で結婚という制度が破綻しつつのあるのは、恋愛結婚の限界を示している。
恋愛感情は冷めるし、恋愛感情は移り変わる。
結婚するならば恋愛感情以上のものが必要になってくるが、恋愛至上主義になっていると、そこに気付かない。恋愛感情だけで結婚してしまう。
しかし、恋愛至上主義になればなるほど、恋愛感情の消えた結婚に意味を見いだせないので、たとえ子供がいたとしても「かすがい」にならずに離婚に突き進む。
だとすれば、結婚する理由が「好きだから」というのは、今やほとんど意味がないということに気付かなければならない。恋愛感情はどのみち消えてしまうのだから、それと結婚を短絡的に結びつけては失敗する。
その前にもっと重要なのは、現代の恋愛至上主義の風潮に疑問を持つことかもしれない。メディアや、社会や、文化は、全力で恋愛至上主義を持ち上げている。
なぜか、恋愛感情だけを異常なまでに崇高なものにして煽っている。それを疑うことを許さないような、カルト教団のような風潮でもある。
そして、自分が恋愛至上主義に毒されてしまっていることにすら気付かずに、多くの人がそれに踊らされている。そして、結婚は壊れ、家族は消失する。 |
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