カタワのサルである人類は地上で適応するために直立歩行の訓練を始め、それが踊りとなり、この右・左と足を踏み鳴らす踊り=祭りが日々の充足源(活力源)となった。
この踊り=祭りの中でトランス状態に入り、そこで観た幻覚の極致が精霊である。人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。
(『10/30なんでや劇場1 原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった』258196より)
上記の「踊り」と「脳回路」の関係に着目して調べてみた。
踊りを司るブローカー野は、人類固有の観念機能獲得に大きな影響があったと考えられる。
----『ダンスの神経科学』(日経サイエンスリンクより引用----
・神経科学者である著者らは,ダンサーが音楽に合わせてタンゴの基本ステップを踏んでいる時の脳の活動を陽電子断層撮影法(PET)で調べた。
その結果,頭頂葉にある特定部分の活動が高まることがわかった。その場所には,身体がどのような姿勢をとっているのか示す「運動感覚地図」が収められていると考えられる。
・さらに,ダンサーがステップを踏むと,言語をつかさどる左半球の「ブローカ野」に対応する右半球の領域が活性化することも突き止めた。
ブローカ野は言語とともに,手話など手の表現にもかかわる領域だ。
・ダンスは典型的なジェスチャー語と考えられることから,おそらく初期言語としての役割があったと推察される。言語と手,さらに脚の動きの関連はダンスが表象的コミュニケーションとして始まったことを示す裏付けになるかもしれない。
----『小学生の脳の英語処理は音声から「言語」へ』リンクより引用----
・よく知っている単語の処理では左半球の角回が活発に活動していましたが、逆にあまり知らない単語の処理では、右半球の縁上回が活発に活動することが分かりました。さらに、言語領域としてよく知られているブローカ野においても、右半球のブローカ野に相当する場所が活発に活動していました。
・これらの結果は、音声言語処理には左右両半球が関与し、特に語彙獲得の初期には右半球が重要な役割を担っている可能性を示しています。
・子どもたちの脳は、未知の言葉を習得する際には、言語を問わず、音のリズム、アクセント(音の強弱)、イントネーション(抑揚)などを頼りに処理していると考えられます。
・本研究結果から、子ども達が新しい言葉を耳から学ぶ時には、脳ではまず音声の分析が優先的に行われ、それが意味を持つ「言語」へと徐々に移行する可能性が示唆されました。
----引用以上----
上記から、以下のような仮説が導き出せるのではないだろうか。
1.ブローカ野は、運動性言語中枢と呼ばれ、言語処理及び音声言語、手話の産出と理解に関わっていると言われているが、始原人類が踊りを重ねるごとに発達させ、まず、言葉獲得以前の共認形成の一翼を担ったと思われる。(主に右脳のブローカ野)
2.のちに観念機能を獲得し→発語し→言葉として『固定化』されてゆく起点にもなったのではないか。(左脳が「パターン認識・パターン反応」(284934)を担うとすると、左半球のブローカ野が、言語の固定化に寄与したのではないか。)
3.精霊信仰を生み出したのは、360度の全体視、空間構造掌握、仲間認識を担う右脳のブローカ野があってこそ、ではなかったか。
身振り手振りによる共認形成や踊りで発したと思われる「発声」と、自然の物理現象→背後に見た精霊の表象としての「発語」は、かなり近似しているのではないかと推測する。
4.サル人類特有のミラーニューロンは、ブローカ野に存在すると言われている。そしてこのミラーニューロン・システムは、エンドルフィンという多幸感をもたらす情報伝達物質を分泌する。
脳内をトランス状態に導き、幻覚→精霊を見せたのが、これではないか。
ミラーニューロンを共認原回路だと措定すると、これに塗り重ねる形or何らかの反応が相乗・促進されて、同一箇所or近くに観念原回路が形成された、と考えられないだろうか。 |
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