「みなさんは、抗ガン剤が『有効』だと聞くと、ガンが治らないまでも、延命効果はあると考えるでしょう。しかし、たとえば新しい抗ガン剤を認可する場面で使われる『有効』という言葉の意味は、ガンのしこりが小さくなるということにすぎず、治るとか延命するといった話ではない。ガンが小さくなりさえすれば、完全に消失しなくても『有効』と判定されます」。。。
これを読んで、“医学って何のためにあるの?”“医者って何のためにいるの?”って改めて考えさせられます><
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抗ガン剤は効かない/井上学編集(別冊宝島248号)(リンク)
前書き:あなたが抗ガン剤について知りたかった本当のこと
日本人の死因の第一位はガンである。周りを見渡してもガンで亡くなる人は珍しくない⊂ ガンがありふれた病気であるように、入院すれば抗ガン剤の治療を受けるのは当たり前になっている。患者は抗ガン剤で治るかもしれないと期待させられるし、一般的に抗ガン剤は「ガンに効く薬」と受けとめられている。
しかし、我われの常識とは裏腹に、実際には抗ガン剤は「全ガンの九割に無効」であり、しかも「受けて得するか、逆に損して命を縮めるか、どつちかしかない危険な賭け」であるとすれば。
そんな衝撃的な発言をしたのは慶応大学医学部の近藤誠講師だった。近藤講師は言う。
「抗ガン剤で治るのはすべてのガンの一割程度にすぎない。日本で多い胃ガンや肺ガンなどの九割のガンには有効性がなく、抗ガン剤の投与によって患者さんの生存期間が延びたということは実証されていないのです」
近藤講師の勇気ある告発によって初めて我われは、抗ガン剤の有効性や副作用についての本当の情報が、これまでタブーとして封印されてきた事実に気づかされた。長い間、我われは「抗ガン剤は効く」と思い込まされてきたのである。再び近藤講師は言う。
「『薬が有効である』という言葉に錯覚させられているのです。みなさんは、抗ガン剤が『有効』だと聞くと、ガンが治らないまでも、延命効果はあると考えるでしょう。しかし、たとえば新しい抗ガン剤を認可する場面で使われる『有効』という言葉の意味は、ガンのしこりが小さくなるということにすぎず、治るとか延命するといった話ではない。ガンが小さくなりさえすれば、完全に消失しなくても『有効』と判定されます」
− 抗ガン剤が「有効」でないとすれば、いろいろな疑問が湧いてくる。
なぜ「有効」でないのか。「有効」でない薬がなぜ厚生省によって認可され、流通しているのか。
しかも驚くべきことに、「抗ガン剤は効かない」という事実は表だって口には出さないものの、医者のあいだではほぼ常識″になっているというのである。医者ばかりでなく、看護婦や薬剤師などの医療関係者や、そして抗ガン剤を投与されているうちに当のガン患者も抗ガン剤の効果を疑問視するようになっていくのに、相変わらず日本の医療現場ではそれが頻繁に使用されているのはなぜなのか。
逆に、抗ガン剤の毒性を軽視する傾向が、ソリブジン事件といった大きな薬害を生み出しているのではないか。
本書は、我われが信じ込まされている、抗ガン剤をめぐる数々の「錯覚」を検証し、問題提起するところから始まっている。
たとえば、抗ガン剤で治るガンと治らないガンがあること、医者がよく使う「生存率」は言葉のトリックに過ぎないこと、新薬認可の臨床試験のデータはきわめてズサンであること、日本の「ガン告知」のあいまいさがムダな抗ガン剤治療をはびこらせていること、製薬会社の抗ガン剤開発の背景には巨大な利権がからんでいること…等々。
その結果、デタラメな抗ガン剤治療によってたくさんの患者が副作用死しているかもしれないという現実も我われは重要視しなければならない。
今までは、「抗ガン剤が効きますよ」と医者に言われたとき、患者は「ハイ、お願いします」と従うしかなかった。しかし、その医者の勧める抗ガン剤は効かないとしたら。無益であるばかりか、ひどい苦痛をもたらす抗ガン剤治療から逃れるには、まずそこから疑いを持つ必要がある。 |
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