生命原理・自然の摂理
27750 種の分岐と生物学的構造について
 
村田貞雄 ( 55 静岡 企画 ) 02/03/29 PM11 【印刷用へ
『種』の概念を、適応進化とその適応(可能性収束)した構造として扱う立場に賛成です。

確かに、交配可能性とその雑種による世代継続の可否をもって、種を区分しようとする考え方がありますが、それは、雄雌分化した多細胞生物にとって生殖が、端的な「生物学的な構造」であるからですね。
ですから、生殖を『種』の概念として採用できるのは、生物のある進化段階以降になります。

例えば、接合形式(有性生殖)をとりうるゾウリムシの場合には、接合タイプの組み合わせが、非常に沢山あり(つまり、性がオス、メスの2種類ではなく、10種類以上あるのですが)、交配不可能なゾウリムシが出てきます。しかし、ゾウリムシは『種』としては同じと考えられています。この場合は、顕微鏡で観察される単細胞としての形態が同一である、或いは細胞内で働いている生理機構に共通性があるなどの基準を採用し、同じ『種』であるとして、論じているわけですね。

また、細菌の段階になると、まったく異なる細菌間で遺伝的形質が横に移動し、A細菌の形質がB細菌に加わってしまいます。
端的な例として、有名な例と大腸菌0157があります。

>O-157のベロ毒素に関していえば、この毒素は赤痢菌のもつ志賀毒素 Shiga toxin 遺伝子をのせたバクテリオファージによる形質導入の結果であるといわれている。

多くの動物の大腸の中で共生している細菌が、時々刻々とその形質を変化させているわけです。

ですから、『種』そのものも固定的ではなく、適応変化して、元の種から生物学的な構造を新たに獲得することで、『種』が分岐すると見る必要がある訳ですね。

そして、『生物学的な構造』は、いま現在も『事実認識』として研究、考察させている過程であると。

最後に、ヒトをサルと分ける『生物学的な構造』を観念機能の獲得においている点も新たらしい視点ですね。

観念機能』の獲得が、実態としても『生物学的構造』と対応しています。チンパンジーとヒトでは、口蓋の形態が大きく異なり、決定的な発声(言葉≒観念)機能の違いとなっているようです。

以下、その紹介です。

進化人類学分科会・第1回公開シンポジウムからです。

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