少し前の記事(2011年8月27日)になりますが、『In Deep』さんのブログに表題の記事がのっていました。地球内部の熱エネルギーを考える上で参考になると思い、引用させて頂きます。
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地球の内部からは常に約44兆ワットものも莫大な熱が宇宙に向けて放射されている。この熱はいったいどこから来るものなのだろうか?
この驚異的な数値を明らかにしたのは日本の地質学者たちだが、しかし、彼らはどうやってこんな途方もない数値を調べだしたのか。彼らは、実に、世界中で20,000以上の穴をボーリングにより掘り、それらを徹底的に調べることで、この温度測定にたどり着いたのだ。
英国の科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」上で報告された記事によると、この熱の多くは、地球の外殻とマントルの中でのウランやトリウム、カリウムなどの放射性崩壊によるものだという。
2005年に、日本を活動拠点とする カムランド(東北大学大学院理学研究科付属ニュートリノ科学研究センターにある反ニュートリノ検出器)は、世界で最初に、反ニュートリノを直接計測できる方法が存在することを世界に示した。
ニュートリノは高速に近い速度で宇宙空間を移動している物質で、それは電子とよく似ているものだが、しかし、カムランドによる説明によると、ニュートリノは電子と違って、電荷を伝えない。
カムランドの目的は、地球ニュートリノと呼ばれているものの検出だ。地球ニュートリノは正確には反電子ニュートリノというものだ。この地球内部において生じていると考えられる核分裂反応によって生じているニュートリノを観測することによって、地球の熱生成モデルを検証することが目的だという。
米国エネルギー省バークレー研究所のスチュアート・フリードマン氏は、「カムランドが持つ地球ニュートリノ検出器は非常に優れていて、地球ニュートリノ検出に関して、他に追随できるものはない」と言う。フリードマン氏は、カリフォルニア大学バークレー校の教授でもある。
彼はさらにこのように述べる。
「カムランドは反ニュートリノを検出するように特別に設計されたものなのだ。非常に高い精度で、それらを見つけ出すことができることを我々は知っている」。
現在、確実に言えることは、地球から放出されている 44兆ワットという膨大な熱の「約半分」が放射性崩壊によるものだということだ。これはほぼ確実だ。
しかし、あとの半分の熱は?
何か他の源があるわけだが、原子の地球の形成から存在しているかもしれないこの「熱の源」を探し出す科学者たちの奮闘が続いている。
なお、反ニュートリノは、ウランやトリウムなどの同位元素の崩壊だけではなく、原子力発電の炉の中での核の分裂など様々な他の要素でも生産されるという。(引用終わり) |
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