世界各国の状況
265324 アメリカを滅ぼす(滅ぼしたい)プーチン外交始動A
 
新聞会 12/06/11 PM11 【印刷用へ
引き続きロシア政治経済ジャーナルリンクより転載します。
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▼上海協力機構を、再び「反米の砦」に

さて、プーチンは、「上海協力機構」(SCO)の首脳会談出席を名
目に北京にいったのですね。

このSCOについて、「プーチン最後の聖戦」にはなんと書いてあ
るか?

<プーチンはSCOの再強化を目指す
 
二〇〇三年〜〇五年にかけて旧ソ連諸国で次々と起こった、
アメリカによる革命。
 
これは、ロシアと旧ソ連諸国の独裁者たちを恐怖させました。
 
それで、プーチンは中国との同盟を決意。
 
さらに、SCO(上海協力機構)を「反米の砦」として育てること
にしました。
 
そしてSCOは、ブッシュの攻撃的で独善的な外交姿勢にも助
けられ、急速に求心力を強めていきました。
 
二〇〇七年には、加盟国六カ国で合同軍事演習が実施され、
「SCOはNATOに対抗する組織だ」といった発言も聞かれま
した。
 
ところが、「米ロ『再起動』」の時代に入ると、ロシアにとってS
COの存在意義は失われていきました。

「再起動」の時代に「反米の砦」はいらないというわけです。
 
メドベージェフには、SCOを強化しようという意志はなかった
ようです。
 
しかし、プーチンの時代が再び始まり、「再起動」の時代は終
わりました。
 
彼は、SCOの再強化に乗りだすことでしょう>(314p)

で、実際はどうだったか?

SCOの加盟国は現在、

中国、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキ
スタン。

準加盟国(=オブザーバー)は、

モンゴル、インド、パキスタン、イラン

今回、準加盟国が増えました。

しかも、重要な国です。

<上海協力機構ゲスト参加 アフガン、準加盟国昇格へ

産経新聞 6月6日(水)7時55分配信

 【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンのカルザイ大統領が6
、7日に北京で行われる上海協力機構(SCO)首脳会議にゲスト
国の首脳として参加する。

アフガン大統領府によると、同国は準加盟国に昇格する見通しだ。

北大西洋条約機構(NATO)軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)
が2014年末までにアフガンから撤退するのを見据え、アフガンと
SCOの中核、中国は長期的関係の構築を図っている。>

6月7日、アフガンは「準加盟国」として承認されました。

アメリカは、10年以上アフガンで戦争をつづけ、そのアフガンは中
ロになびく。

なんのために戦ったのかわかりませんね。

さらに、2013年には、インド、パキスタンが加盟国に昇格する可
能性も出てきました。

中国がインドの昇格に反対しているので、実際にはどうなるわか
りません。

しかし、ロシアの大統領がメドからプーチンにかわったことで、S
COの動きが活発になってきたことは事実です。

▼プーチン、直近最重要の外交課題は?

さて、SCOは6月7日、「北京宣言」を発表しました。

<シリア・イランへの介入に反対…上海協力機構

読売新聞 6月7日(木)19時54分配信

 【北京=関泰晴】中国とロシア、中央アジアのカザフスタン、キル
ギス、タジキスタン、ウズベキスタンの計6か国で構成する上海協
力機構(SCO)の首脳会議は7日、北京で2日目の討議を終え、
シリアなど中東地域の軍事介入に反対することなどを盛り込んだ
「北京宣言」を発表して閉幕した。>

「シリアなど中東地域への軍事介入反対」。

つまりSCOは、欧米が計画しているシリアへの攻撃、あるいはイ
ランへの攻撃に反対だと。

はっきりいえば、プーチンはこれで、今回の外交ミッションを完遂
したといえるでしょう。

それは一体なんでしょうか?

皆さんご存知のように、シリアでは虐殺がつづいています。

それで、欧米は「軍事介入してアサドを政権から追い出そう」と
主張している。

つまり、イラクやリビアのように、戦争で体制を崩壊に追い込もう
と。

しかし、国連安保理で戦争の許可が取れないので、なかなか開
始できません。

国連安保理では、ロシアと中国が戦争に反対しています。

(本音を書くと長くなるので省略しますが、ロシアの論理はこうで
す。

1、アサドを排除しても内戦になるだけで、虐殺は止まらない
イラクやリビアの例をみれば明らかである

2、虐殺を行っているのは、アサド政権ではなく、「NATO」をよび
こみたい「反政府側」なのではないか?
いずれにしても調査団が入っているわけで、最初からアサドのせ
いにするのはフェアではない

3、そもそも「内政干渉」に反対。シリアのことはシリア人が決める
べき

4、「武力干渉しアサドを排除すれば虐殺は止まる」というが、戦
争中にもっと多くの民間人がなくなるのではないか?

例をあげれば、イラク戦争で民間人の犠牲者は最低10万人とい
われている。
これはフセインによる犠牲者より多いのか?  等々。)

とはいえ、度重なる虐殺で、ロシアと中国は国際的に孤立しつつ
ありました。

ところが今回、SCOで「シリア戦争反対」が宣言された。

これは、(善悪の問題は別にして)中ロ外交の大勝利といえるでし
ょう。

今まで、孤立していた中国、ロシア。

それがいまではSCO加盟国
カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、

および準加盟国
モンゴル、インド、パキスタン、イラン、アフガニスタン、

少なくとも「シリア戦争反対国家」が11カ国に増えた。

中には、インドやカザフスタンのような大国もあるのが、心強いで
すね。

さらに、こんな情報もあります。

<中仏、イランが前向き=新たなシリア会議案―ロシア外相

時事通信 6月8日(金)5時37分配信

 【モスクワ時事】ロシアのラブロフ外相は7日、シリア危機打開の
ためロシアが開催を提案しているイランやトルコなどを含めた国際
会議について、中国、フランス、イランが参加に前向きな姿勢を示
していることを明らかにした。

訪問先のカザフスタン・アスタナで記者団に語った。>

これは要するに「米英抜きでシリア問題を話しあいましょう」と。

当然、「シリア攻撃には反対」ということでしょう。

フランスが「前向き」というところに注目ですね。

サルコジさんはアメリカべったりでしたが、オランドさんは「多極
主義外交」に戻るかもしれません。

アメリカは、シリア戦争を開始したくてウズウズしているのですが、
世論作りに失敗して国際的信用を失ったイラク戦争のようには
なりたくない。

それで、用心深く、国際世論を誘導し、つい最近まですばらしい
成果をあげてきました。

国際世論は、「アサドをまもるロシアと中国はなんて悪い国だ!」
となってきていた。

ところが、プーチンは、この流れをわずか数日でひっくり返してし
まったのです。

というわけで、アメリカを滅ぼす(滅ぼしたい)プーチン外交がは
じまりました。
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以上です。
 
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