南米アマゾンのシャーマンは自身と場合によっては患者にもアヤワスカを飲ませ幻覚状態で治療を施すのが特徴です。
また、治療は精霊の歌(イカロ)と言われる歌を歌いながら行われます。
実際彼らに、どのような世界がみえているのか。
元アマゾンのシャーマンだった画家パブロ・アマリンゴ氏の実体験に基づいた著書に事例が記載されていたので抜粋します。
本人が治療をされた際と自身が呪術師になる際の2つの事例を紹介します。
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■アヤワスカとの出会い
〜略〜
ある時、父さんは私の心臓が治るようにと、再び私にアヤワスカを飲ませた。
父さんは近くのピチリおじさんを師匠として病気を治す方法を学んでいた。
父さんは精霊の歌(イカロ)を歌って、私にアヤワスカを飲ませた。
すると、女性の姿をしたアヤワスカの精霊たちが現れた。私にかしずき、医者のチームさながらに、私の心臓を手術した。
彼女たちは心臓を取り出すと悪い部分を取り去って縫い、再び心臓を入れた。
そして翌日は一日寝ているように、その後数日は、塩や砂糖、脂などを抜いた食事制限をするようにと言った。
〜中略〜
その次の日は、まるでどこも悪くなかったかようにとても健康に感じた。そして霊的(スピリチャル)な存在が、人に作用するんだということを初めて知った。
■精霊に祝福されて呪術師になる
九時になると、女呪術師が再びやってきた。そして妹に三回の治療をすると、妹は完全に直った。
それから、女呪術師が歌い続けると、なんとその身体が、地面から40pよど浮かび上がった。身体が浮いていたのだった。
女呪術師は、集まった人一人ずつにアヤワスカを飲むように与えた。
〜外へ出ると、隣の家との間に座りこんでしまった。何かにとりつかれ死んでしまうような感じになって、何がなんだがわからなくなった。
すると、そこらじゅうに天使がいるのが見えた。話したり抱擁し合ったりしていた。
〜その時だった。精霊たちが私の前に現れてきた。ほとんどが女性の姿をしていた。彼女たちは見事な冠、ベルト、靴を私にくれた。
そして私の身にそれぞれを飾り付けたかと思うと、私を祝福し、キスをして行ってしまった。
〜アヤワスカを飲んだ後、10日間、食事制限をするようにと言われたので、その通りにした。
それから1ヶ月が過ぎた夜の九時だった。女呪術師が歌っているのとまったく同じ歌が、耳に聞こえてきた。
そして学ぶこともなく歌が歌えるようになった。さらにいろいろなことがわかるようになった。
ある時、若者が手紙を届けに来た。その姿を見ただけで、若者の具合が悪いのがわかった。それで思わず言った。
「あなたはここに痛みがあって、そこからそっちの方へも痛みが続いているでしょう。」と。
若者はどうしてそんな事がわかるんだと、びっくりしたが、本当だった。
私は若者の痛みをそのまま感じた。 |
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