皆の充足を実現する時代になり、実現にむけてみんな発で思考し活力を上昇させている人と、従来の狭い仕事意識を引きずり成果も活力も衰弱している人との違いが顕著に現れてきました。部門やチームを引張る肩書きをもった統合者の転換の遅れや、出来ない理由ばかりを思考するスタッフまで、この問題は社会を貫通する普遍的な問題ですが、どうすれば変わっていけるか。社内ネットで明らかになってきたその問題構造を紹介します。
【唯我独尊と事なかれ主義、その中軸は職能主義】
全体としては充足基調⇒充足発信によって活力上昇している。ところが、充足基調の流れに乗れないメンバーがいる。それが「頭の重い人々」である。
全体の活力が上昇する中で、こういう人々が目につき鼻につくようになってきた。こういう後ろ向きな人間をどう教育(改造)してゆくか。欠陥に気づいてもらうためには、その原因構造を明らかにする必要がある。
勝てない部門長、成果の上がらないスタッフの頭には、やらない理由やできない理由が頭に詰まっている=否定観念が頭に張り巡らされている。
【1】唯我独尊と事なかれ主義は一体
こういうタイプが生まれる前提条件は私権圧力と身分序列である。身分序列に安住して、下にはダメ圧・説教や自慢話を繰り返す。それに対して下の方は事なかれになる。このように、一つの集団をとった場合に両者はセットになっていることがわかる。それだけでなく、ある人物の中でも、下には唯我独尊、上には事なかれというようにセットになっている。
唯我独尊の方は自我を撒き散らすので問題がわかりやすいが、多数派を占める事なかれの方は波風を立てたくないという意識なので、問題が見えにくいが実は重大な問題を孕んでいる。不当な命令であっても上に対しては異を唱えない。この姿勢は都合の悪い問題は隠蔽する体質を形成してゆく。しかし、問題の隠蔽は、集団に対して重大な被害をもたらす、集団にとって致命的な規範破りであることを肝に銘じる必要がある。
【2】中軸は職能主義
課題捨象を生み出す中心的な中身が職能主義だが、これも私権圧力⇒身分序列を前提とした私権意識そのものである。この意識が形成されるのは支配階級ではなく下層身分であるが、私権圧力は当然、下層身分にも強力に働く。そこで下層身分が収束する先は職能意識、つまり職能内での序列争いしかない。これが「職能意識が序列意識の末端形」であると言う所以である。
これまで「唯我独尊や事なかれが良くない」と言われることはあっても、「職能意識が良くない」と言われたことはなかった。これは職能意識が身分序列に支えられた大義名分をもっているからであるが、その結果、この手のタイプはその欠陥の自覚は貧弱なのが現状である。
しかし、私権時代は既に終焉し、実現の時代に入っている。実現の時代とは、(生物史〜人類史を見れば明らかなように)可能性のある所に進出してゆくということと同義であり、そんな中で、狭い職能意識にしがみついていては敗北する一方であり、それでは絶対に勝てない。それだけではない。それはぶら下がり以外の何者でもないのであって、それでは生きてゆけない。自分の職能に関係がないから発信しない、という意識は今や許されない時代である。
(つづく) |
|