生物学を切開する
2540 科学と社会
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/03/31 AM01 【印刷用へ
私は、科学の責任と科学の方向については、一人一人がじっくり考えないといけない問題と捉えています。一般の人々ももちろんですが、特に科学を目指す心ある人たちにも少しでも考えていただきたいと思います。すべてを一気に話し尽くせないかもしれませんが、その点はご了承ください。

1.進化論は人類社会をも説明できるものであるべき
私は、現在の社会・環境への適応態である私達人類、に繋がらない進化論は意味がないと考えています。進化は現在まで繋がっているのだから、当たり前であると思います。

2.生物は環境への淘汰適応態
環境との相互作用によって生物は淘汰適応していくという認識については、反論はないと思います。(適応の中身や淘汰の議論や方向性の議論は別途議論の余地がありますが)。このことは、生物が適応態であるかどうかは環境条件によって左右されるということですから、生物学(科学)はその条件を押さえるのは当然のことです。当然環境条件を押さえるとは、自然条件だけでなく他の集団や他の生物(種)との関係、個体間の関係つまりその生物が置かれている社会を対象化するということでしょう。共生進化論とか共進化とかという進化上の議論はまさにその一つの結果ではないでしょうか。最近議論の遡上に載ってきている形態進化の問題や自己組織化の問題も、それが置かれた場の影響を大きく受けるのではないでしょうか。

3.集団(種)の中にあってこそ生命
「生物とは」、「生命とは」の議論が現在進行中ですが、一個の個体を対象として研究したとしても生命現象を語るには不十分だと考えます。それは原生動物の生殖機能や粘菌の動き、あるいはそういう例を出すまでもなくヒト一人だけを取り出して、ヒトという生物を語ることができないというのは自明のことでしょう。まさに、集団の中にあってあるいは集団との関係を押さえることによって、初めて生物の機能や適応戦略が解明されるのです。つまり、集団(→社会)の議論を抜きにした進化論は欠陥品でしょう。
 
List
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_2540
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
153621 植物の集団性はダイナミック! 丸一浩 07/06/06 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
現代の神官=社会統合階級の欺瞞
個人主義者の詭弁 個人と自我
個人主義の責任捨象と言い逃れ
共認回路と自我回路
規範意識の形成の土台は? 
力の論理と共認機能
自我の源泉は、共認の部分否定にある
序列闘争は、共認されている
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
規範回路と観念回路の断層
我思う、故に我あり
漱石をねじ曲げる「奴隷」たちへ
「自我=エゴ」を制御するもの
相手尊重の意識の原点は?
歴史無視の表層的個人主義はウンザリ
共認充足がなければ生きられない
共認回路の特殊性
共認回路は個体境界を越えて情報を統合する
「自分らしさ」を理解できない人々
「心の豊かさ」に感じる胡散臭さ
規範の形成を阻んでいるもの
自己実現の「非」実現性
自我回路より共認回路の方が充足できる
“自我心理学”から“共認心理学”へ
あらゆる圧力を排除する個人主義
人類の本性は共同性にあるA
原始時代に自己中はいなかった
全体主義を生み出した犯人は、自己中
潮流1:共認原理と私権原理
私権時代から共認時代への大転換

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp