日本を守るのに、右も左もない
2539 「言説の二重性」と「国政の私物化」が諸悪の根源(佐々木さんへ)
 
阪本剛 HP ( 27 千葉 SE ) 01/03/31 AM01 【印刷用へ
 先日の投稿で、佐々木さんが、農政の現状を嘆いておられましたが、もっともだと思います。

 政治家が地元の選挙区で遊説したり、後援団体主催のパーティーで語っている内容を見ると、驚かされることが、よくあります。

 例えば、全国紙やマスコミでは消費者優先、国際化、財政の健全化、市場の自由化を唱っている党の政治家が、地元の支援者に対しては、農業に対する手厚い保護、公共事業の強化、特定産業に対する規制を約束する、といったことは、ごく当たり前になっています。

 私は、食糧安保の観点から農業の保護は重要な課題だと思いますし、自由化を絶対視する論理に対しては警戒すべきだと思います。
 しかしながら、それが果たして実現できる基盤がないにも関わらず、実行しようとする気さえない口約束を政権担当者が続けているとしたらどうでしょうか?

 例えば農業の活性化は長年の課題ですが、農水省の減反政策と補助金を使った場当たり的な対応によって、農家は“生殺し”の状態にあります。
 その一方で、政府は「構造改革」の名の下に市場原理の導入を企図し、食糧輸入の拡大、自由化を対外的に公約しているのです。

 これでは、自給率など上がるはずがありません。それどころか、我が国の農産業は衰退するしか途はないでしょう。

 つまり、我が国の政権与党は、地方の農家から、補助金という一度依存したら止められない「麻薬」によって票を買い、同時に将来の展望を奪っていることになります。

 このような「言説の二重性」こそ、現在の政府の欺瞞的本質であります。  一方マスコミは、本来どうでもいいスキャンダルは報道しますが、上記のような欺瞞性の本質を追究しようとしません。

 なぜなら、短期的に見れば、政府が推進する自由化政策は消費者の利にかない、消費者こそがマスコミのスポンサーである企業を選別しているからです。

 では、なぜこのような不毛な体制が温存されるのでしょうか?
それは、特定の集団(政党)が官僚と癒着し、国政を「私物化」してきたからです。

 彼らにとっては、現在の特権を維持することが最大の目標であり、度重なる制度的改悪と茶番劇的な政争の繰り返しによって国民の手から改革の手段・機会を奪うことに専念してきたのです。
 二世、三世議員が増え、世襲が続いてきた今日では、「私物化」はまさに字義通りに進行しつつあります。

 民主主義は、本来、特定の個人・団体が特権的な立場につき、専制にはしることを嫌うはずですが、実態はこの専制が合法的に行われてきたのです。

 特権化・聖域化した世界、環境の中では、誰であろうと、正常な判断力を喪失し、腐敗するのは、歴史の真理ですが、今日の政治的頽廃はまさに末期的な状況にあることを示しています。

 
 
 
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