引き続き逝きし世の面影リンクより転載します。
-----------------------------------------------------------
『朝鮮の歴史と日本の責任』
日本のマスコミなどは、米国発表をそのまま流すだけであるが、そもそも朝鮮に関する歴史の流れを理解していない。
朝鮮は1910 年の日韓併合以来、日本の植民地支配の犠牲となり、創氏改名、朝鮮語の禁止、天皇の崇拝などを強制された。
1945 年の日本の敗戦は、多くの朝鮮人にとっては大日本帝国からの解放と受け止められた。
しかし、日本と米国との戦争は、悪逆非道の日本と正義の米国との戦争であったわけでは決してない。
それは世界の覇権を狙う両帝国同士の戦争であり、圧倒的な力の差の下に米国が日本を完膚なきまでに打ち破った戦争であった。
しかし、米国は当時の共産主義との確執を前に、日本や朝鮮を東洋における共産主義の防波堤にしようとした。
そのため、日本では天皇はその戦争責任を問われないまま温存されたし、朝鮮でも日本統治下の役人がそのまま政権に居座ることが許された。
そのため、本来であれば日本の植民地から解放され、晴れて独立を果たすはずであった朝鮮は、血を血で洗う内戦へと導かれて、南北に分断されたのであった。
1948 年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が相次いで独立を宣言し、1950 年6 月にはついに朝鮮戦争に突入。
38 度線で膠着した戦争は、1953 年に停戦協定に至った。
その後、すでに半世紀の時間が流れたが、朝鮮と米国の間では依然として停戦協定があるだけで、戦争状態が続いているのである。
その一方の当事者である米国は核兵器、生物兵器、化学兵器、大陸間弾道ミサイル、中距離ミサイル、巡航ミサイル、ありとあらゆる兵器を保有し、自らの気に入らなければ、国連を無視してでも、他国の政権転覆に乗り出す国である。
そうした国を相手に戦争状態にある国が朝鮮であり、武力を放棄できないことなど当然であるし、核を放棄するなどと表明できないことも当然である。
ちなみに、日本はベトナム特需とともに、朝鮮特需をもって、戦後の経済を立て直したのである。そして今なお、米国につくのが国益だと、戦争を放棄したはずの憲法も無視して、弱いものいじめに荷担する。
W.『差別と抑圧の世界への抵抗』
『9・11とアフガニスタン』
9・11 の攻撃を受け、米国は「テロ」を根絶するとしてアフガニスタンへの攻撃を始めた。
いったいアフガニスタンが何をしたというのであろうか? 米国から9 月11 日の攻撃の首謀者とされたオサマ・ビンラディン氏はアフガニスタンにとっては長年の客人であり、引き渡せと言うなら証拠を示せと、ごく当然の要求をしたに過ぎない。
証拠を示すことなく、容疑者の引き渡しを求めるなどどんな国際法、国内法に則っても違法であろう。
そして、交渉の用意があるとまで言っていたアフガニスタンに、「問答無用、言うことを聞かなければ攻撃する」と言って、米国は攻撃を始めた。
いったい悪いのはどちらなのか?アフガニスタンは貧しい国である。
多様な民族を抱え、ソ連、中国、インド、パキスタンそしてアラブの国々に囲まれ、他国の思惑に翻弄され続けてきた。1980 年以降は、ソ連の支配を嫌って内戦も起こり、中央アジアでの天然ガスと石油の利権をねらった米国はソ連と闘うタリバーンに肩入れした。
アフガニスタンは世界全体の阿片の4 分の3 を生産し、米国のCIAがそれを武器と引き替えて、戦闘を拡大させた。国土は荒廃し、食料すら乏しく、2100 万ほどの人口のうち、多い時は600 万人もが難民であった。
利用できるような統計的データすらないが、軍事費などは米国の1000 分の1にも満たない。その国を、米国だけではなく、米国に「同盟国」として認めて貰いたいという国々がよってたかって攻撃し、一方的な殺戮を繰り返してきた。
米国にとって、中央アジアのエネルギー資源はかねてから触手の対象であった。その米国は世界貿易センタービルを破壊されて、10 兆円に達する被害を受けた。しかし、中央アジア地域とアフガニスタンを支配下に置くことで、ついに中央アジアのエネルギー資源を手に入れる道筋を築いた。その上、こ地域に対するロシアの影響力を抑えたことで、蒙った被害をはるかに超える利益をすでに得たことになる。
〜中略〜
『星条旗が示す米国の成り立ち』
米国は「United States of America」というのが正式な国名である。
これを日本語に訳すと、日本では「アメリカ合衆国」と訳される。民衆が集まってアメリカという国を作っていると言うのである。
米国の国旗は星条旗であり、その横線は赤白で13 本ある。この13 本は、東部13 州が米国の独立宣言をした時の植民地=州の数を示す。その後、米国は西部に向かって開拓という名前で先住民を虐殺しながら土地を奪って行き、とうとう太平洋まで達した。
そしてアラスカを獲ってハワイを獲って、現在51州だということで星条旗の星の数は51 個になっている。
つまりこの星条旗というのは米国という国の成り立ち、州の数を端的に示している。
もちろん、正式な国名自身が示すように「State=州」が集まってできた国が米国であり、日本語にするならば、「アメリカ合州国」にしなければいけない。
ところが日本では「アメリカ合衆国」という訳しか使ってはいけなくされている。
完全な誤訳だと分かっていながら、「合衆国」という訳しか使わせない社会こそ歪んでいる。
朝鮮に対してだけでなく、情報もまた偏って、歪んでいる。
ワールドトレードセンターでたかが3千人が死んだからと言ってアフガニスタンで、そしてイラクで何万人もの人間を虫けらのごとく殺していく。
そのことは報道もされない。それ以前に、イラクで経済制裁という名の下にこれまでに何万人の人たちが死なねばならなかったのか、そのことの方が大事なことだと私は思うが、報道もされない。
言葉に尽くせないほど不均衡な世界である。徹底的な差別の世界になんとか抵抗するということが、今私たちがなさねばならない一番大切なことだと私は思う。
---------------------------------------------------------------
以上です。 |
|