『【福島原発震災(56)】20ミリシーベルト撤回を求めて対政府交渉』(福島老朽原発を考える会 (フクロウの会))リンクより転載します。
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子どもに年20ミリシーベルトの安全基準を撤回せよとの政府交渉に120名参加しました。福島から、原発震災復興・福島会議のメンバーも参加され、迫力ある交渉となりました。回答できない事項が多く、再質問に回答することと再度交渉の場を持つことを確認しました。
<政府側の対応>
・文科省…「放射線管理区域」の基準を上回る学校が多数ある事実は認識せず。そもそも「放射線管理区域」の基準を知らない。この区域では18歳未満の労働が禁止されていることも知らない。
・原子力安全委員会…19日14時頃に事故対策本部からの「20ミリシーベルトでいいか?」という連絡をうけ、16時頃に「よい」と返答した。この間、正式な会議は開催していない。委員会内でどのような協議をしたかは不明。議事録があるかも不明。
・文科省…20ミリシーベルトの根拠は、ICRPの「事故収束後の基準」(1〜20ミリ)、もっとも緩い値を使っている。一方で事故は終息していないとの認識。両者の矛盾を指摘すると意味不明の回答。
・文科省…20ミリシーベルトに内部被曝は考慮せず。あるシミュレーションをもとに、内部被曝を考慮しなくてもよいという結論に至る。そのシミュレーションの詳細については承知していない。
・子どもにも大人と同じ基準を用いているかといわれれば、そのとおり。一方で、子どもは大人よりも影響が大きく配慮が必要とも。
〜中略〜
今日の交渉で回答できなかった事項
下記について回答の上再度交渉を行うことになりました
1.福島県による学校の放射線測定結果から、放射線管理区域に相当する学校は、全体の何%であったか。
2.放射線管理区域について答えられなかったが、放射線管理区域とはどういうところか。
3.労働基準法では、放射線管理区域における18歳未満の労働を禁じていることについて答えられなかった。学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討においてこの点はどのように考慮されたのか。
4.原子力発電所の労働者が、白血病を発症し、労災認定を年平均10ミリシーベルト前後で認められた事例や、集積線量40ミリシーベルトで認められた事例があることについて答えられなかった。学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討においてこの点はどのように考慮されたのか。
5.原子力安全委員会は、学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討に際して、4月19日の14時ごろに助言要請を受け、16時ごろには回答した、原子力安全委員会の公式の会議は開いていないということだった。20ミリシーベルトで差支えがないというのはどのようにして決めたのか、その経過を明らかにすること。5人の委員にはどのような確認を行い、どのような意見が出たのか。他にどのような資料や専門家の意見を参考にしたのか。議事録があればそれを明らかにされたい。
6.文部科学省は、学校の安全基準を20ミリシーベルトとする根拠に、ICRPの「非常事態が終息した後の一般公衆における参考レベル」1〜20ミリシーベルトを暫定的な目安として設定したとしている。現在は事故が終息していないと答えたが、なぜ事故終息後のレベルを採用したのか。
7.参考レベルのうち、最も高い値を採用したのはなぜか。
8.3月21日のICRPの声明も判断の根拠としたということだが、この声明はいつ、政府としての見解として取り入れたのか。
9.福島県による学校における放射線測定結果は、原発震災復興・福島会議による測定結果と比べると小さいところがある。今後、県内の公的測定には、原発震災復興・福島会議などを同行させるなど、相談して進めるべきと要請した。回答はいかがか。
10.大人と子どもでは放射線による影響に違いがあると認める一方で、20ミリシーベルトは子どもも大人も同じ基準だとの回答であったが、子どもに対して特に配慮しなかったのはなぜか。その根拠を明らかにされたい。
11.20ミリシーベルトは空間線量の評価からのみ導き出したものと述べたが、吸入、土ぼこり、食物による内部被ばくを考慮しないのはなぜか。原子力安全委員会の事務局は、シミュレーションにより、内部被ばくは考慮する必要がないと判断したと述べた。シミュレーションはいつ誰がどのように行い、どのような結果であったのか、明らかにされたい。
12.ホットスポットがあることは認める、積算線量は3月23日以降のものしか評価されていない、モニタリングは3月15日から実施しているとのことだが、少なくとも、15日以降の積算線量を公表すべきだと考えるがいかがか。
13.原子力安全委員会は、「生徒の行動を代表するような教職員」にポケット線量計を着用させ、被ばくを確認するとしているが、これで子どもたちの被ばくを確認できるのか。このような措置を示した根拠は何か。
14.校庭の土壌を削り取るなどの除染措置をとるべきではないか。
15.原子力安全委員会、文部科学省、原子力災害対策本部の三者が福島県に出向き、県民に説明するよう要請したがいかがか。
16.上記の質問に午後6時及び明日午前10時までに回答の上で、責任ある人を出して、早急に説明の場を設けること。
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