内部被曝の危険性について警鐘を鳴らす、矢ヶ崎克馬(琉球大学理学部教授)氏の講演記録より引用させていただきます。
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ヨーロッパ放射線リスク委員会が1945年から89年までに、放射線でどれだけの人がなくなったかをシミュレーションしました。ICRPの基準では、癌でなくなった人は117万3千人。小児の死亡者は勿論いません。生活の質の喪失というのも、放射線を受けたために健康に生活できなくなった人ですが、それもありません。それから初期の乳胎児の死亡、生まれてすぐの子どもの死亡といったものが、内部被曝を認めていないものですから、全部ゼロなんです。
こういった内部被曝を認めない現れは例えばチェルノブイリでたくさんの人が甲状腺疾患で苦しんだり、癌でなくなったり、いまもなおたくさんの人が病院で苦しんでいます。これだけたくさん癌患者がいるにもかかわらず、ICRPはもちろん、IAEA(国際原子力機関)も、放射線による癌や甲状腺疾患とは決して認めないんです。彼らがこれを認めると、たいへんなことになるということを認識しているものだから、内部被曝に起因するようなそういうものは認めないというのが、ICRPの基準なんです。
それに対して、ヨーロッパ放射線リスク委員会が、癌でなくなっている人たちがどれだけいるかというと、6161万9千人。小児の癌の死亡者は260万人。それから生活の質の喪失10%。初期胎児、死産が185万人。トータルで6500万人がなくなっている。もちろんこの放射線の源は大気圏核実験だけではなくて、原子力発電所その他の核施設も原因の1つということです。核実験と原子力発電所などの撒き散らしている放射線によって、癌、免疫力の低下、それから乳幼児、感染症、こういった方が苦しんで大量になくなっているのです。
原子力発電はいま、地球温暖化を救うエネルギー創出方法だなんて、あらためて日本の放射線科学人を含めて、企業が大きい声を上げつつあります。日本は特に、安全神話と呼ばれている「原子力発電は絶対安全である」という根拠のないキャンペーンを張って、安全性だけを誇大宣伝しておりますが、そういうことはきちっとメスを入れていく対象であるし、データから見ると、原子力発電は中止していかなければならない対象であると考えます。
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