放射能汚染がどの範囲まで及んでいるのか?政府発表やマスコミ報道からは極めて断片的な情報しか入らない。
調べてみると原子力安全委員会が3月23日に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算」結果を発表していた。
(リンク)この時点で原発の北西40KMに位置する飯館村の被曝積算値は100mSv。3月12日から23日までの積算値
で一日中外で過ごした場合という条件で、屋内の場合はこの1/4〜1/10になるとしている。それを仮に1/6とし、1日4時間屋外にいたと仮定すると被曝積算値は約30mSv(100mSv×20時間/24時間×1/6+100mSv×4時間/24時間)となる。
これは年間被曝量の基準1mSv(ICRP勧告)をはるかに越える。しかも現在まで同程度の放射性物質が漏洩しているとすれば3/末時点で被曝積算値は50mSvとなり、職業被曝限度(災害対策活動を実施する防災業務関係者の年間被ばく線量)の50mSvに並ぶ。災害対策に従事する人も含めて即刻避難しなければならない状況だということになる。しかし3月23日以降、なぜか試算データは発表されていない。
そして4月30日、国際原子力機関(IAEA)は、原発から約四十キロ離れた屋内退避地域の外にある福島県飯館村で、IAEAの避難基準の倍近い放射性物質を測定したと発表した。これに対し東電、政府は、「IAEAのデータの詳細は聞いていない」「避難地域をすぐに拡大するものではない」との判断を示したと報道されている。
事態は予測通りに推移し、危険性は増大している。予測データの隠蔽。被害実態の誤魔化し。東電、政府は住民の被曝被害を食い止めるのではなく、“被害範囲”を最小限に止めること、つまり自分たちの責任を最小限に止めることしか頭にないようだ。 |
|