実現論を塗り重ねてゆく
243410 北ユーラシア草原東部の世界1(モンゴル、ツングース系)
 
山澤貴志 ( 45 鹿児島 ITコンサル ) 11/01/04 PM00 【印刷用へ
>鮮卑という名前が朝鮮北方の鮮卑山に由来していることからも、ツングースの可能性が高いが、鮮卑の元になる東湖がツングースの系譜に連なるのか、疑問な点も多く、この点は継続追求課題とする。

北ユーラシア草原東部の諸民族(東胡、鮮卑、烏桓、柔然、匈奴、突厥、高車、丁零、鉄勒)について、栗本慎一郎氏がシルクロードの経済人類学(2007 東京農大出版会)で取り上げているので紹介する。

●東胡≒モンゴル系諸族(鮮卑、烏丸、柔然)

東胡に含まれるのは大興安嶺(大シンアンリン)山脈西麓のシラムレン河及びラオハ川沿いの付近に活躍した鮮卑と烏丸の2民族である。匈奴は漢民族に近く漢民族に取り込まれてしまったが、鮮卑はもっと北に位置していたため、力を蓄えてから南下したため、五胡十六国以降、いくつかの国を建てて、ついには隋・唐の建国に深く関与することになった。鮮卑はこれまで漢民族に吸収されたと過小評価されてきたが、むしろ鮮卑が遊牧社会で形成していた北方遊牧民の「連合」統治のあり方が漢人社会が目指していた中央集権に実体を与えたとみるべきであろう。

紀元後5世紀初頭に、興安嶺からタリム盆地に至る地域を勢力下においたのが柔然である。柔然は鮮卑傍流の拓跋氏という一大支族から生まれたと考えられる。柔然は蓬(ヨモギ)という意味があるが、蓬は北のシルクロードにどこにでもみられる自生植物であり、それに由来するのであろう。

東胡という名称は東方の蛮族という意味でつけたのであろうが、ツングスース族であるかの定説はない。ただしツングースという語は紀元前からのものではなく比較的近年の名称でチュルク系のヤクート族が東方の人たちをツングース=豚と蔑称して使っていたのを起源とする。従って、南シベリア起源の古モンゴル族とチュルクを含む周辺の諸族の混血部族のうち東へ向かった一派なのであろう。そして日本の支配層もこの南シベリア起源の東へ向かった一派であり、後の時代も、草原のシルクロードを媒介に様々な通商を行っており、深い関係を続けているという訳だ。

●満州≒ツングース系(室韋、契丹、靺鞨)

柔然が滅んだ6世紀中ごろから唐代まで、満州チチハルを中心に勢力を張ったのが室韋である。西は突厥、東は靺鞨、南は契丹と接していた。東西交易の拠点をなしたと考えられるが、特に統一政府や連合政権を形成したふしがない。契丹は、10世紀になると、唐の衰退に乗じて東の靺鞨を吸収し、統一国家を建て、11世紀には草原のシルクロードの東半分を統一するまでになる。ロシア語で中国をキタイと呼ぶのは、この契丹に起因する。

室韋、契丹ともにモンゴル系と満州系≒ツングース系の混交部族、靺鞨はツングース系と思われるが、室韋、契丹には西からソグド人がもたらしたと思われる鳥葬の風習が見られ、草原のシルクロードを媒介にした西方の影響が伺える。

以上をまとめると以下のような見取り図となる。

東胡┬→鮮卑─→隋・唐
  ├→烏桓
  └───→柔然・・室韋・・契丹
           靺鞨─┘
 
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