■3.3万年前からの寒冷化・乾燥化
3.3万年前ごろを境に世界的な寒冷化・乾燥化が進む。この影響で、バイカル湖の北方モンゴロイドの主力は、パミール高原〜タリム盆地に南下し、インダス川周辺から北上してきた原モンゴロイドと混血した。【中央アジア・モンゴロイド=中亜モンゴロイド】
また、寒冷化→海面低下の結果、日本列島と大陸は陸続き(大陸〜樺太〜北海道〜本州)になり、同時に対馬海峡が狭まった為に日本海への暖流の流入が止まった。そして、水蒸気減→雲減→日本海側が少雨化・乾燥化し、日本列島が草原化してゆく。この時期に画期的な石刃技法を獲得した北方モンゴロイドは、大型哺乳類を追って樺太を経由して日本列島にも流入してきた。
途中で分岐した部族が、アメリカ大陸まで移動した可能性も。
この時期のシベリアは、一旦無人の地になった。
■2.7万年前からの温暖化
2.7万年前からの温暖化時には、パミール高原〜タリム盆地の中亜モンゴロイドが北東に向かい、2.5万年前〜2.3万年前にはユーラシア大陸北部・バイカル湖付近に到達。狩猟生産(主にトナカイ)を営んでいた(2.3万年前のマリタ遺跡から大量のトナカイの骨)。
(※2.6万年前から2.2万年前のものと推測される遺跡が、チベット高原南部のラサにもある。)
■2.1万年〜1.8万年前の最終氷期極寒期(−10℃)
2.1万年〜1.8万年前からは、最終氷期極寒期(ヴュルム氷期最盛期、LGM)に入っていく。平均気温は地球全体で現在よりも5度低く、高緯度地域は12〜14度も低くなった。
極寒期の影響で、バイカル湖の中亜モンゴロイドの主力は、再びパミール高原に南下。
他にも、漁業資源を頼りに川沿いを移動し、より暖かい太平洋沿岸に向かった部族もいた。その後南下し、中国(シナ・モンゴロイドと混血)や日本列島(北方モンゴロイドと混血)へ移動。
この時期のシベリアは、再び無人の地に。
■1.8万年〜、1.5万年前〜、1.35万年前〜と段階的に温暖化(−2℃〜+3℃)
1.8万年前の最終氷期極寒期終了後、1.5万年前から北半球が急速に温暖化する(ベーリング期)。特に1.35万年前の高温化期(アレレード期)には、大きく人口が増加したと言われる。
○中亜モンゴロイド
最終氷期極寒期が終了した1.8万年前以降の温暖化によって、パミール高原の中亜モンゴロイドが西回りで、中国のシナ・モンゴ×中亜モンゴが東回りで北上し、バイカル湖に到達。
彼らは、寒冷・乾燥気候の下で、体温を維持するために、ずんぐりむっくり体型になったと考えられる。(4万年前、2.7万年前、1.8万年前とバイカル湖に移動してくるたびに、北方への適応を塗り重ねてきた?)
しかし、1.5万年前からの高温期にバイカル湖周辺のステップ草原が縮小していく(1万年前には、現在とほぼ同じ植生の針葉樹林に)。大型哺乳類がオホーツク海沿岸に残存するステップ草原を目指して移動した為、バイカル湖の一部の中亜モンゴロイドは大型哺乳類を追って移動した(森林地帯に適応して、中国に南下した者もいたと考えられる)。
この時期は、氷河が後退しつつもベーリング海峡が陸地化(ステップ草原化)していた時期であったため、大型哺乳類と共にアメリカ大陸に渡った中亜モンゴロイドもいた。そして、先に居住していた北方モンゴロイドと混血していく。【原アメリカ人】 1.35万年前にはチリ南部に到達。 |
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