思考革命:問題意識発から可能性発へ
23967 物を考えること、充足すること、その1
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 02/02/14 PM10 【印刷用へ
私は、「物を考える」ことを意識的に行ってきたわけではないが、最近この会議室に参加する機会が多くなったせいか、あるいは困難な現実課題が恒常的に目の前に突きつけられているせいか、以前よりも「考える→構造化する」ということが常態化してきたように思う。

しかし、思えば70年代を学生時代で過ごした「反抗世代」である私は、現実逃避というよりも現実否定から超越(たとえばシュルリアリズムに凝った時もあったが…)して観念収束してきた嫌いがある。今流行りの「ハリーポッター」に繋がる「指輪物語」に感化されて、現実と非現実の隙間を埋めるようなファンタジー世界を構築しようとしたり、ユングに刺激されて無意識と意識を繋ぐ童話世界を構築しようとしたこともあった。その意味では、当時の「物を考える」とは、小説や童話や詩を書くための思索であり、現実を直視して対象化することとはほど遠いことだったように思う。倒錯思考、倒錯時代、そんな表現が一番適切な学生時代(もっとも、学生時代を卒業してからも数年間続くのだが)であったように思われる。

当時の「思索」と、現在の「物を考える」を比較してみる。いずれも根っこは何らかの問題・課題意識や不全からスタートしているのだろうが、認識操作としての現実否定と現実肯定の違いは歴然としており、パラダイム転換については改めて言及するまでもない。が、23833の四方勢至さんの投稿に関連して、「充足機能」としての「観念機能」をいずれも使ってはいる。ただ、四方さんが指摘されているように、当時の思索は解脱充足や感応観念でしかなかったのだろう。この充足と可能性ということについて。

まず、最近の若い人と話をしていても、あるいは同じ年配の人間と話をしていても、「物を考える」と「暗くなる」「落ち込んでいく」人を結構見かける。だから、「一人で考えるな。それでは自我収束して、あるいは逆に自己否定に走って突破できない。人は人によって変わるのだから、仲間の中にこそ問題点や不全を開きだして話し合う、考えることが大事だ」という指摘は、観念機能共認機能(期応回路)の上に積み上げられていることからも、そして共認収束の流れからも、そして現在的には悩める問題や不全の多くが関係非充足に繋がっていることからも、適切なアドバイスではあると思う。

しかし、人類の「物を考える」観念機能が、どうしようもない未明課題・困難課題を突破する(外圧適応する)ための先端機能ということは、本来は観念機能を使うことで適応可能性が開き、充足回路が作動していくはずで、「考えること」で「暗くなる」ということはおかしな話である。「物を考える」ことによって、「明るくなる」というのが本来である。つまり、可能性が開く、答えあるいは答らしきものを探り出すことで、充足感を覚えるものだと思う。だから、「暗くなる」というのは実は思考停止、観念忌避「考えたくない」からだと思う。

私の経験から照らせば、学生時代も現在も「物を考えて」暗くなることはないし、いずれも何らかの充足回路と結ぶついている。いったい、思考段階においてその違いはどこにあるのだろうか。    (その2、に続く)
 
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