●刃物に馴れていくヘアー・インディアンの子供達
ヘヤーインディアンの子供達は、小さい頃から刃物を使っていろいろな手伝いや遊びをします。どのように刃物を使うのか?「子供と文化人類学 原ひろこ 晶文社」から紹介します。
・小さな斧で薪を割る4歳の子供。
・切り出しナイフを使って、玩具のカヌーを作る子。
・10歳の達人の子供と6歳の相方の子がペアになって、のこぎりで木を
切る。
・子供達だけで森に入った時、帰途に迷わないように、山刀を上手にこな
して木々にスパッスパッとキズをつけ目印を作っていく10歳の子。
ヘヤー・インディアンの子供達の世界では、「ものを切ること」とか、「ものを割ること」は「創る」ことにつながっている。
また、十歳ぐらいに成長すると、ちょっとしたキズの応急処置が出来るようになります。鋭い刃物で切ったキズは治りやすいが、鈍い刃物やさびついたもので切ったキズは恐ろしいことも知っています。
大人達は、刃物を「危ない」と子供達に教えるよりも、早く自分で使いこなせるようになることを重視します。
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ヘアー・インディアンの共同体の中では、子供でも生産者の一員です。だから小さい頃から刃物にも馴れ、生産者として成長し生きていくことが重要になります。
ここでの「子育て」とは、生産と一体であり、外圧環境とそこでの生産様式の中から、具体的な子育ての方向が生まれています。
現在社会の中で、生産と生殖が分離し、生産活動のない密室家庭の中で、子育ての方向を見失うのは、当然ではないでしょうか。
今の外圧とは何か?闘争・生産様式は何か?
生産を中心とした根本的な見直しが必要になってきていると思います。 |
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