●闇の勢力争いの現状分析〜闇の支配勢力研究家(鬼塚、副島、ベンジャミンF)の諸説をどう読むか。
以上、この40年を振り返ることで「力の原理主義者」としてのロックフェラー勢、「金融資本主義者」としてのロスチャイルド勢、「金主で戦略家」としての欧州貴族勢、という3大勢力の特徴がはっきりと見えてきたが、現在の諸勢力の力関係はどうなっているのか。ここで闇の支配勢力研究家の諸説との整合を図っておこう。
まず、典型的ロスチャイルド陰謀論の系譜を踏まえた鬼塚英昭氏の説によれば、この間の世界経済の混乱の主要因をなしているのは「ロスチャイルド勢の暗躍」であるとしており、とりわけリーマンショック以降の経済を「八百長恐慌」と見る視点は、事態を正確に捉えているといえるだろいう。しかしながら、ロックフェラーをロスチャイルドの手下、広報担当としてしかみていないのは、事態の半分を見誤っているのではないだろうか。イスラエルを巡る一連の不安定な政治情勢においては、明らかに欧米の路線の対立は際立っており、また日本における民主党と自民党を巡る仁義なき戦いの様相から見ても、「ロックフェラー勢はロスチャイルド勢の下で動いており両者は一枚岩である」とはとてもいえないだろう。
そこで、ロックフェラーVSロスチャイルド説を主張している副島隆彦氏の説が注目されることになる。しかしながら副島説はデビッドロックフェラーを「世界皇帝」と持ち上げすぎている点に問題がある。どうやら、副島氏はデビッドロックフェラー1人に全ての諸悪を押し付けることで、世界経済の混乱の真の犯人ともいえる「ロスチャイルド隠し」を行っているとみるべきであろう。事実、副島氏自身が、自身の掲示板において「欧州資本勢VSロックフェラー勢の対立において、欧州資本勢が勝利することが、長期的には日本にとってプラスである」という態度を表明している。
欧州勢力の研究という点では、ベンジャミン・フルフォード氏の説も検討しておく必要がある。ベンジャミン・フルフォード氏は現在の闇の勢力分布を、バチカン勢、ブッシュ勢、英国王室、ロスチャイルド勢、ロックフェラー勢の5派に分けて分析する。そして、バチカン勢、ブッシュ勢、英国王室を強硬派、ロスチャイルド勢、ロックフェラー勢を穏健派に分類し、ベンジャミン氏自身は、アジア系の闇の勢力の連合である白龍会の一員として、現在、穏健路線実現に向けて交渉中であるとしている。
ここで、ロックフェラー勢を穏健派に分類しているのは、ベンジャミン氏は既にデビッドロックフェラー氏は引退しており、軍産複合体の主導権を握っているのはブッシュ一派であるという見方に立つからである。従って、ベンジャミン氏がいうところのロックフェラー勢とはロスチャイルドと連合を組んでいるジェイロックフェラー一派のことである。
こうしたベンジャミン氏の分析の背景には、数年前デビッドロックフェラー氏と対談した際に、手打ちを行ったことが影響しているものと見ることが出来るだろう。つまり、ブッシュ一族を軍産複合体の中核人物として大きくクローズすることで、軍産複合体の本当の中核人物であるデビッドロックフェラー氏との対立を回避したということだ。ロスチャイルドを悪く書かず、欧州系の闇の勢力の中核をイルミナティといった曖昧な概念でぼかしてしまうのも、同様の構図であろう。
副島氏、ベンジャミン氏に限らず、闇の支配研究家の諸説は、一方で情報ソースを得るため、と同時に、敵対勢力からの暗殺等の危機を避けるため、巧妙に真犯人隠しを行う傾向を持っていることを念頭において読み解かなければならない。
以上、主だった3氏の説を取り上げたが、概ね、ロックフェラーの劣勢、欧州勢とロスチャイルド連合の優勢と見て問題ないだろう。 |
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