>経済が繁栄していた頃あれほど威勢よく賃上げを進めてきた組合は、現実に消費需要(←賃上げ)を作り出すべき肝心の今、何の力にも成らずに敗退を重ねている。211322
今は70歳を越える父の経験談を思い出しました。
父が勤めていたのは、食品化学工業の魁的な会社でしたが、危険な化学薬品などの扱いも今では考えられないくらいいい加減で、危険と隣り合わせの職場だったらしい。
そんな職場環境を何とかしたいという想いに加え、ちょうど世間的にも労働運動が活発化し始めたこともあり、父の会社でも組合運動が本格化してゆきました。
父は同僚から君にしかいないと期待され、組合の幹部に祭り上げられ、父も仲間のためにと組合運動に従事したそうです。しかし組合幹部は経営者の敵なので、出世の道は無いものと覚悟の上でした。
組合活動の結果一定成果をあげることができました。その後役職を降りた後あれほど期待してくれていた同僚たちも、一気に運動から身を引いていったのだそうです。
組合活動が沈静化した後、父ら元幹部には会社からバッシングが待っていましたが、同僚たちは見てみぬ振りでだれも助けてくれなかったそうです。
みんなのためにと思ってやった労働運動だったが、結局は誰も自分の事しか考えていなかった。そしてそれは単なる要求運動に過ぎなかったというのが父の実感でした。 |
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