・改正省エネ法においては、消費エネルギーの見える化(計測すること)が重要になっている。
事務所ビルだとテナントのエネルギー消費量とビルオーナー側のエネルギー消費量を計測することが重要となる。
細かく計測することで省エネ管理ができるようになる。したがって限りなく計測機器が必要になる。
計測するとはそもそもどういうことなのか?
◇その歴史をひもとくと・・・・・・・
そもそも計測器は税金を正確に徴収するために作られてきた。
古くは【租庸調】という税制から計測基準を決める必要があった。
唐の均田法下の税制。土地を給与された丁男(21〜59歳)に対して課した現物税。租は粟2石、庸はもと年20日間の力役が1日につき絹3尺に換算されたもの、調は土産の絹2丈と綿3両、または麻布2.5丈と麻3斤。のち両税法がこれに代わった。日本でも大化改新以降に同様のものを制定。
以下1993年(平成5年)の新計量法施行に至る我が国の計量制度の歴史は次のとおりである。リンク
・701年(大宝元年)唐の度量衡制度を手本とした大宝律令の制定
1寸=10分 1尺=10寸 1丈=10尺 など
・1594年(文禄 3年)豊臣秀吉による米納貢租制度確立のため太閤検地
検地尺 検地枡 土地面積の単位(段、歩)の整備
・1891年(明治24年)計量制度として度量衡法制定
メートル原器、キログラム原器を基礎とした標準を統一し、尺貫法ととも にメートル法を公認
営業に用いられる計量器は、国による検定対象、その製造・販売の免許制 が施行
・1921年(大正10年)メートル法への度量衡法改正
度量はメートル、衡はキログラムとするメートル法に統一することを規定
・1951年(昭和26年)計量法公布
計量単位の拡大とメートル法統一の推進
・1952年(昭和27年)計量法施行
・1959年(昭和34年)商取引が尺貫法からメートル法に統一
・1966年(昭和41年)土地・建物の取引がメートル法に統一され、メートル 法への完全移行
・1966年(昭和41年)計量法改正
電気測定法の計量法への統合、計量器製造・修理事業の許可制から登録 制、型式承認制度の導入
・1992年(平成 4年)新計量法公布
計量単位の国際単位系(SI単位)への統一、計量器検定に関する規制の合 理化、計量標準供給制度
証明用計器にも計器検定の義務と検定有効期限が法制化
・1993年(平成 5年)新計量法施行
・1999年(平成11年)10月から計量単位の国際単位系(SI単位)への全面移行
◇特に1960年代中頃にトレーサビリティがアメリカから紹介され、民間、国において計測標準に従事している人達にその思想が急速に普及し、いくつかの委員会で熱心な議論が行われた。諸般の事情によりその活動は急速に弱まったが、トレーサビリティを明確にすべしという声は止むことがなかった。トレーサビリティに法律は似合わないという意見もあったが、国に義務を課すという意味も含め、計量法に取り入れられた。「計量法による計量標準供給制度」などと呼ばれている。(リンク)
・JIS規格によると、トレーサビリティ(traceability)とは、「標準器または計測器が、より高位の測定標準によって次々と校正され、国
家標準・国際標準につながる経路が確立されていること」となっている。
計測するとは、科学技術の計測という意味では「科学技術教育」への貢献はもちろんある。だが、元々の意図は公正な取引という名の下の国家基準化・国際基準化という市場化の促進戦略だろう。 |
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