>日本の農村の半分以上は親類のことをオヤコと呼んでいた。オヤコやイトコのコは家の子のコである。家の子は労働単位であり、これを指揮するのがオヤであった。そのオヤは共同体の作業の頭であった。本物の親よりも長男のことをオヤカタと呼ぶ方言が広く知られているが、それは総領が労働の頭としての機能をもつ名残りであった。24991
オヤコの方言の分布は語源は、津軽、山形、伊豆、沼津、甲州と、本州北部に分布しており、西は鳥取、島根に存在するだけで、九州は皆無のようです。リンク
この現象は他の方言と全く異なる様相を示しています。
各地方に親戚の意味を表すオヤコ集団があり、集団が接するたびに共通語としてオヤコという言葉が広がっていったのではないかと思われます。
農耕が始まる前の縄文時代から、このオヤコを核とした共同体が自らの集団をオヤコと呼んでいた可能性さえあります。
朝鮮半島から鳥取、島根へ上陸し、関東へ広がっていった可能性もありますが、いずれにしても、現在の家族に歪曲された親子関係とは違った集団を第一義としていた民族性がうかがえると思います。 |
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