暴走する悪徳エリートの所業
219072 『日本国の正体』より @霞ヶ関の補完勢力になった新聞
 
ET 09/11/06 PM11 【印刷用へ
『日本国の正体』
 政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か(長谷川幸洋)を読んだ。

自民党政権において政府税調委員を務めるなど、政権を内側から見てきた著者が、政治家・官僚・メディアの関係について自省も込めて詳述しており、一部を紹介していく。
著者は東京新聞の論説委員で、現在は社説を担当している。


●霞ヶ関の補完勢力になった新聞
私が観察してきた官僚の生態はこうだ。
官僚は新聞に大きく扱ってもらいたい情報があると「どの新聞に書いてもらうか」をまず考える。できれば発行部数が多くて、読者層もその情報に敏感な人が読んでいそうな新聞を選ぶ。もちろん記者も慎重に選別する。「○○新聞の××記者なら、こっちが言うとおり書いてくれますよ」などと課内で検討する。

この程度は課長でも係長でも、まったく普通の作業だ。むしろ、こういうときに知り合いの記者の一人や二人、名前を挙げられないようでは役立たずと言われかねない。
「あいつは記者の人脈が広い」というのは「使える記者をたくさん知っている」ということであり、「できる官僚」の重要な要素になる。

そのうえで、どう接触するか考える。そのものずばり、その記者を携帯電話で呼び出すケースの方が多い感じがする。なぜなら、かつて私自身が何度も呼び出された経験があるからだ。
(中略)
そんなやりとりが何度か続いて「こいつは信用できる。言ったとおりに書く」と分かると、以後、その記者が御用達になる。これが役所の特ダネの典型的パターンだ。官僚は初めから、しっかり計算して情報を流している。そんなオペレーションができないようであれば、官僚は務まらない。これが霞ヶ関の普通の感覚である。

記者は特ダネに飢えている。だから、官僚から与えられれば、飛びつかないわけにはいかない。自分が書かなくても、他社が書くと分かれば書かざるをえなくなる。

官僚側に立って考えてみる。
官僚は最終的に情報を書いてほしいと思っている。もしも記者がだれも食いついてこなかったら、どうするか。記者を集めて会見を開き、発表するしかない。

一方、官僚の側は記者たちが「囚人のジレンマ」に陥っている状態を知っている。だから、相手には黙って、実はともに情報を流している場合が少なくない。官僚にとっては、みんなに公開して記者発表するよりも、一人ずつに情報を流したほうが、相手はみな「自分だけの特ダネ」と思い込んでいるので、結果的に扱いが大きくなる。それを、ちゃんと心得ているのだ。一番特をするのは、実は官僚なのである。
 
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『日本国の正体』 〜政治家・官僚・メディア本当の権力者は誰か?〜 「日本を守るのに右も左もない」 10/02/23 AM02
219083 『日本国の正体』より A事務次官会議の実態 ET 09/11/07 AM00

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