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真猿の進化史 |
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北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) |
02/01/21 PM11 【】 |
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さてご質問のリスザルについてですが、元もとの問題がサルの進化過程を巡る問題ですので、回り道になりますが、真猿の進化史を先に見ておくべきだろう思います。
真猿の進化(系統分化)は以下のような軌跡を辿っています。
@オモミス類(原猿)からメガネザル系統と初期真猿(の祖先)が分化
A4000〜4500万年前真猿登場
Bその後広鼻猿類(新世界ザル)と狭鼻猿類が分化。3500万年前?
狭鼻猿類がアフリカ大陸からアメリカ大陸に渡ったのは約2500年前と言われており(最古の化石がそれ)、当時はアフリカとアメリカ大陸は既に分離しており約500kmしか距離がなかったとはいえ、島伝いに奇跡的に渡った模様。おそらく狭鼻猿類に追われたものと考えられます。
C狭鼻猿類が旧世界ザルとホミノイド(類人猿含むテナガザル系)に分化(約2500〜3000万年前)
その後旧世界ザルは尾長ザル系とコロブス系に分化
Dホミノイド(原テナガザル)から類人猿分化(1000〜1500万年前)
これらの過程では概ね進化するにつれて、大型化する傾向が見られます。(例えば新世界ザル<尾長ザル<テナガザル系<チンパンジー)
この過程を推測するに、南方の樹上という特権的世界を独占したサル類は、主要な敵が異種のサルとなったと考えられます。そして、大型の新たな種が登場する度に、従来の種がその場を追われ、(もしくは淘汰され)追われた種は新天地を求めて、新たな環境に適応するという過程を辿ったのではないかと類推されます。
また大型化のベクトルは種間の闘争のみならず、サルの集団内の序列闘争(ボス争い)でも有利に働く=より大型の血統が多く残るので進化と大型化の相関関係により拍車をかけたと考えられます。
加えて原猿から追うとこの進化過程は単体→オスメス同棲の単雄複雌集団→複雄複雌の集団という過程です。つまり種間の闘争に勝ち残るために、概ね大型化と、集団化⇒知能の発達と言う二つのベクトルで発達してきたこれが,サルの進化史の大きな流れだと思われます。
<参考>ホームページでは「霊長類の進化を探る」
リンク
が分かりやすい。
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