>もし私たちの求めるものが、本当に現実性を持ったものであるなら、それを実現しうる対象的な構造がすでに現存のこの社会の内に実在しているはずだと。211502
現存する生物は、外圧変化によって適応不全に陥るたびに、もてる限りの認識機能を駆使して現実を対象化し、現実の中に見出した可能性に収束し、適応する歴史を経て今ある。
人間も同様で、現実に不全から欠乏が生じているのであれば、長い適応の歴史を通して塗り重ねられてきた潜在思念は現実の中に何らかの実現基盤を捉え、可能性を察知している。
そう考えると、上記の引用のような捉え方が腑に落ちる。
否定発の観念や思考様式で、現実を歪曲化し、矮小化して混濁し、思考停止に陥ってしまった現代人が観念を塗り替え、思考パラダイムを転換していく上では、生物史を始めとする事実に基づく歴史構造を学ぶことがその足がかりや導きの糸になると改めて感じた。 |
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