日本人と縄文体質
214215 縄文時代に学ぶ意味と今後の課題について
 
田野健 HP ( 48 兵庫 設計業 ) 09/09/03 PM05 【印刷用へ
るいネットには史論版というカテゴリーがある。
このカテゴリーに投稿している人たちは、単に過去の歴史に学ぶという目的だけではなく、そこから新たな答えの可能性の芽を発掘していくという役割を担っている。

現在の状況は未曾有の経済不況というだけでなく、大きな歴史的視点で見れば貧困の消滅によって私権社会を形作ってきた統合原理である私権原理が崩壊し、残存している私権制度や私権の枠組みが空転し社会が大混乱期に突入しようとしている。

いたずらに変革を訴えたり、基礎理論や歴史認識がないまま制度や体制を変えていくことは長い目で見れば混乱期を長期化し、さらには何が間違っているかさえ気が付かない状況に陥っていく。日本人とは何か?日本人の基盤となっている縄文時代とは何だったのか?
長い1万年の歴史は何を醸成したのか?そこが基礎理論の補強やヒントにならないか、それが縄文を追求する基盤にある。

翻って、私たちは縄文時代を学び、そこから何を見出していくか、仲間たちと改めて考えてみた。
縄文時代とは始まりは諸説があるが1万2千年前を創期として、2千年前まで約1万年間続いた世界でも類を見ない期間の長さである。もちろん時代と名前を付けさえすれば他の未開発地域でも1万年以上の時代はあったという事はできるのだが、弥生時代に別の地域の高度な文化が入ってきて、新しい文化に取り込まれずに吸収して取り入れていった事実を見れば、縄文時代が他の未開発地域の水準とは明らかに異なる次元のものであった事が推測される。同時に日本人は外圧に応じて常に新しいものを古い主体に塗り重ねながら本質的な部分を残存して今日まで至っている稀有な民族である。どのように塗り重ねてきたのか、何を残してきたのか、縄文時代ー弥生時代ー奈良時代と変化ではなくつながりを意識して歴史を読み解いていく事が重要に思う。

縄文時代についてこれまでたくさんの投稿がなされてきたが、未だすっきりしない部分を上げてみた。
1)500人超えの縄文最大集落であった三内丸山遺跡はなぜ消滅したのか?消滅した後、集落民はどこへ行ったのか。諸説の紹介と、仮説の展開が求められる。

2)縄文時代1万年を単一時代と捉えてよいのか?縄文早期から晩期にかけて何が変わらずに塗り重ねられ、何が代わって行ったのか?

3)弥生時代に祖霊信仰に変質した縄文人の最大の特徴である精霊信仰(アニミズム)とは始原人類のそれとどのように異なるのか?異なっていないのか?
それを繋ぎとめてきた最大の要因とは何か?

4)縄文時代になぜ農業が発達するにいたらなかったのか?学者の説である農業を敢えて取り入れなかったというのは果たして妥当な説なのか?

5)縄文時代は総じて豊かな時代と言われながら人口が常に変動し最大でも30万人程度にしかならなかったのはなぜか?4)の疑問と合わせて農業を取り入れなかったことと人口が増加しなかった事、その基盤にアニミズムがあることなどを重ね合わせて考えてみたい。

6)東と西の縄文文化が晩期に大きな差が生じていったのは気候の問題だけなのか?
西日本で変化が始まり、農業を受け入れていったのはどのような経過をたどったのか?縄文時代の東と西は何が決定的に違ったのか?

7)縄文時代晩期にはすでに言語学的には日本祖語ができていたと言われているが、東北地方から九州まで同一の言語地域にあったとすれば、その間の日本人の地域間の流動性、交流度合いはどうだったのか?⇒どのようにして共通化していったのか?

上記の課題をイメージしながら、これまでのるいネットの投稿、ブログ「縄文と古代文明を探求しよう」、「知られざる人類婚姻史と共同体社会」から有効な投稿をピックアップ、再整理し、さらに既存の書籍を洗い出し、できる処から仮説を組み立てていきたいと思います。
 
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2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
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7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
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