古代市場と近代市場
208056 農業集団の再生無しには、食糧問題は解決しない
 
三浦弘之 ( 29 静岡 会社員 ) 09/06/03 PM05 【印刷用へ
日本の食料問題を考えていく上で、『人類の本性は共同性にある』(128695,128696)で北村さんが述べられているように、日本の共同性は重要な視点だと思います。

日本人の共同性の高さは、内藤さんが述べられている『大規模な略奪戦争の有無』(128695)のみならず、日本人が営んできた村落共同体での環境(農業)からも育まれています。

>日本人の勤勉さは日本の扇状地に発展した水はけのよい田んぼによって育まれた。扇状地の田んぼに流す水は、用水と悪水と言う人工の通り道で配られ、水口の開け閉めによって流れは左右される。上の上から下の下へ水は流れる。村の寄り合いで、水の道は決められ皆の協力で作られた。全ての人が我侭を通すわけには行かない。全ての人は協力して次善で我慢しなければならない。手前勝手な人が大きな声で言っても賛成は得られない。勤勉な人が発言すれば、小さな声で人知れず言っても、平生の行いからそれが村の約束になった。勤勉さは長年のうちに皆が見て判断した。この勤勉さは現実的な皆が知っている事実である。(勤勉と技術と経済 石田?一(リンク))

在りし日の村落共同体にとって、農業における水利はまさに生命線でした。この水の道を作るのも、経路を決めていくのも、その後の水の管理においても、全ては個人の好き勝手があっては成立しません。常に周りを意識した皆の協働があって初めて成立する重要な集団課題となっていたのです。

他にも耕作や田植え、そして収穫も結(ゆい)と呼ばれる相互扶助に上げられるように、皆で助け合いながら協働で農業(=生産課題)を担っていたのです。そして生産のみならず、同様に消費さえも皆が食べられるようにと自分勝手を慎み、まさに集団課題として存在していたのです。

この農業を始めとした集団の協働に根を張った営みが、日本人の共同性の高さを育んできました。また共同性の高さが、勤勉性や同化能力の高さとも繋がっています。

しかし集団(村落共同体)が崩壊し、バラバラの個人になれば、圧力は低下し、意識は薄れていきます。対象に対する意識が薄れれば、それは必然的に荒廃へと向かっていきます。(207845)それが現在の個人の好き勝手が横行した消費であり、崩れゆく日本の農業(生産)の姿となっているのです。

つまり集団の再生無しには、食糧問題はいつまで経っても解決していかないのです。そして皆の協働による生産を包摂した農業集団の再生こそ、食糧問題のみならず、今後の日本のひいては人類の可能性へと繋がっていくのではないかと考えています。
 
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