思考革命:問題意識発から可能性発へ
20123 古代宗教は何故、共認圧力を対象化できなかったか?@
 
山澤貴志 ( 36 鹿児島 建築士 ) 02/01/06 AM02 【印刷用へ
原始における超越観念があくまでも自然=現実対象を直視したものであるのに対して、古代宗教・近代観念は何故、私権共認という現実対象を直視しなかったのか、それどころか近代では、私権共認にあぐらをかいた自我の要求運動に堕落したのか?この問題を解くことは、斉藤氏の問題提起19255「自省していて社会は変えられるか」つまり僕たちはどうしたら観念倒錯から自由になれるのか?という問題を解く鍵になるのではないでしょうか?

世界宗教を考える時、ゾロアスター教の「善と悪の闘争」という視点は重要だと思います。それまでの民族間の緊張が気候変動→略奪闘争によって一気に全面戦争になった。そこでまずはじめに生まれたのがこの「善と悪の闘争」という世界観ではないでしょうか?つまり自分たちを正とし他部族を邪とすることで、戦争を正当化する必要があったのではないでしょうか?

同類闘争圧力が全面戦争に突入した以上、観念がこの縄張り闘争を如何に勝ち抜くか?へと収斂したのは共認動物としての必然であり、その点でゾロアスター教は倒錯していた訳ではないと考えます。

そして略奪闘争の結果、「力の論理」にもとづく国家体制を整えたところが生き残った結果、私権共認(とりわけ戦利品としての女を独占所有する権利=私婚の共認)が絶対化したことも確かだと思います。しかし、国家間の緊張が緩むとすぐさま私婚規範は乱れ、序列はがたがたになってしまいます。そこから唯一神との契約による現世秩序の構築(争いの元をなした窃盗や姦淫の禁止)を思考した原始ユダヤ教(そして規範をより抽象観念化したのがキリスト教)と、そうした私権が暴走することによる集団の混乱・無秩序を「業」として諦観視する仏教が分岐したのだと思います。

ここでは、勢至翁の指摘どおりどの宗教も私権共認そのものを問題にしていないどころか前提としているという点が挙げられます。

何故でしょう?当時、私権共認を捨てること、つまり自我私権の活力を捨てることは、廻りを私権共認国家が包囲しているもとでは不可能に近いことだったからではないでしょうか?実際、私権共認が貧弱な本源派・採取生産部族はどんどん私権国家に侵略されていったのですから。もっというならば、私権共認=力の論理を超えるためには、同類闘争=武力闘争を止揚する超集団統合の観念や社会統合装置(即自観念を超えた観念、即自的共認集団を超えた統合システム)が必要ですが、国家や民族という即自集団のフレームを離れて社会統合それ自体を構想するということは、考える為の道具である言語体系自体が民族的な伝統の枠内にあった釈迦やキリストにはやはり不可能だったのではないでしょうか?
 
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