弥生時代から古墳時代にかけて日本列島の鉄の事情を読み解いていく上で大陸の鉄技術の発展過程を見ておく必要があります。中国、朝鮮半島と連続して紹介していきます。
今回はHP「和鉄の道」リンクを参考にさせていただきました。
【中国 古代の製鉄技術伝播-1】
製鉄技術の起源は古代ヒッタイト帝国がはじまりとされる。
紀元前2000年のヒッタイトの都アズキョイ遺跡からは精錬された鉄が発見されている。この製鉄法は鉄鉱石を比較的低温度で焼いて出来た海綿状の純鉄を高温加熱殴打する鍛冶で錬鉄を作る塊錬鉄法(直接製鉄法)で、十分ではないがこのプロセスの過程で浸炭による表面硬化も開発された。鉄剣は銅剣や青銅の剣に比べ軽くて硬く、切れ味がいい。つまり切る、刺すといった用途には鋼鉄は最適である。この製鉄技術はヒッタイトが滅亡すると四方へ伝播がはじまり、またたくまにエジプト、西アジア、ヨーロッパ、さらにユーラシア大陸を横断し紀元前10世紀にインド、9世紀に中国に伝播した。
中国大陸では伝来の初期は塊錬鉄法であったが、紀元前2世紀前漢の時代にはすでに鉱石を高温融解して溶融銑鉄を得る溶融銑鉄法(間接製鉄法)が始まっており、鋳造技術が発達した。 |
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