原始人類の婚姻様式と男女和合充足
19619 「兄妹婚」についての補足
 
平野令 HP ( 37 大阪 建築家 ) 01/12/28 PM10 【印刷用へ
 前の投稿でポリネシア原住民の例を出したのですが、古い話でわからない方もいらっしゃるかも知れないので、「兄妹婚」について、以前の投稿から引用して補足しておきます。

【以下『実現論・第一部・チ・』より抜粋】
「採集・漁労部族は、仲間の解脱収束→性欠乏の上昇に対して、皆が心を開いた期待・応望の充足を更に高める方向を目指し、部族内を血縁分割した単位集団(氏族)ごとの男(兄たち)と女(妹たち)が分け隔てなく交わり合う、総偶婚規範を形成した(但し、氏族を統合している部族レベルでは首雄集中婚が踏襲されている事例が多いので、正確には上部集中婚・下部総偶婚と呼ぶべきだろう)。(〜中略〜)期待・応望充足を最大の活力源とする採集部族は、総偶婚によって期待・応望(=共認)充足を破壊する性闘争を完璧に解消して終うと共に、総偶婚によって一段と期待・応望充足を強めたことによって、その充足を妨げる自我回路もほぼ完全に封印していった。」

 この[総偶婚]が拡大する初期段階が[兄妹婚]だろうと思います。
 ポリネシアでは氏族内婚姻が普通で、マレー制度では、全ての血縁関係を「祖父母」「父母」「兄弟姉妹」「子」「孫」の5つの言葉で表現します。例えば、父母の兄弟姉妹(叔父・叔母のこと)を区別なく「父母」と呼び、兄弟姉妹の子供たち(甥・姪)と自分の子を区別せず「子」と呼びます。即ち、男にとって姉妹は全て自分の妻であるのと同時に、兄弟の妻であり、女にとって兄弟は全て自分の夫であるのと同時に、姉妹の夫でもあるのです。
 また、発見当時のトンガ(ハワイ)では、既に[交叉婚](詳しくは後日投稿するつもりですが、ある氏族集団の姉妹たちと、同部族内の他の氏族集団の兄弟たちが交叉して婚姻関係を結ぶ様式)に移行していたが、兄弟の妻と妻の姉妹(義理の姉妹)を「我が妻」と呼び、夫の兄弟(義理の兄弟)を「我が夫」と呼んでいたそうです。

 兄妹婚では、生殖関係が氏族内部で完結しており、生殖可能年齢(成人)の氏族内男女であれば、ほかに何の制限もなく交わり合う集団婚の原型と思われます。ここでは“近親相姦”が当たり前であり、「インセストタブー」というマイナス制御の規範は存在しません。
 むしろ、闘争・生産・生殖が一式揃った自立した単位集団で、幼少時から集団内の役割を分かち合ってきた兄たちと妹たちが、性の役割も分かち合うのは更なるプラスで、そのセックスはとても楽しいものであったことということが、オープンな性生活の風習からも偲ばれます。
 
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