アメリカの証券アナリストや投資家は、利益を重視しているらしい。そこで、以下のような会計処理をしているそうだ。以下、リンクから引用。
「リーマン・ブラザーズは今年の第2四半期の決算で、買い戻してもいない自社債務をマーク・トゥ・マーケット(時価評価)して4億ドルの利益を計上しています。簡単に言えば、簿価が100の自社債務が市場で30まで値下がりしている時に、30で買い戻せば70の利益が出るので、損益計算書に70の利益を計上するという会計処理です。これはHSBCやバークレイズ、メリルリンチもやっていますが、会計上認められているとしても、首をひねらざるを得ません。
かつてエンロンは、天然ガスの長期契約から20年先に発生する利益をマーク・トゥ・マーケットして現在の利益として計上していましたが、それを思い出させる会計のグレーゾーンを利用したやり方のように思えます。」
「米国の証券アナリストや投資家は利益を重視しますが、私に言わせれば、一番重要な財務指標は営業キャッシュフローです。簡単に言えば、商売をやってどれだけ現金を稼いだかということで、財務の健全性を見るうえで最も信頼できる指標なのです。
そこで今回、リーマンの営業キャッシュフローを過去4年分調べてみたのですが、2004年11月期がマイナス135億ドル、2005年度がマイナス120億ドル、2006年度がマイナス3600億ドル、2007年度がマイナス4600億ドルと、膨大な赤字を出し続けていました。これは金融商品の購入に使ったのです。
営業キャッシュフローのマイナス分は、借入金で埋め合わせています。その結果、2007年度の短期借入金は2700億ドル、長期借入金は1500億ドルととてつもなく大きく膨らんでしまいました。レバレッジ効果を使ったビジネスモデルと言えます。絶対額で見れば、利益は営業キャッシュフローの10分の1程度です。これでは利益とキャッシュフローの関係がねじれてしまっていて、企業として存続できるわけがありません。」
現金に裏付けられない利益とは何だろう?帳簿上の操作だけで計上された冨は、粉飾決算とどう違うのか?不思議な会計処理が許されているものだ。 |
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