10/19なんでや劇場レポート2〜金貸しの没落=私権原理の終焉〜
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>(注)金貸したちはドルが暴落した場合に備えて、貿易決済の基準通貨として世界の主要通貨のバスケット通貨を構想していると考えられる。この新基準通貨を基準にして各国の通貨の価値が計られることになる。円>ルーブル・元>ユーロ>ドルという順になることは必然。アメリカを切り捨てるという意味は、この貿易決済用の新基準通貨ができれば、その下でドルが下落しても放っておくという意味。
>∵ドル基軸通貨に代わる世界共通通貨はいきなりは難しい。通貨を統一するには国債発行権を分配する権限をどこが持つのか?という問題に直面するからである。それができるのは世界政府樹立であるが、現時点では現実的ではない。
日本から見ていると、フランス・ドイツを軸にしたユーロの結束力は高いと思っていました。しかし、外交面からは仏・独も決して一枚岩ではないようです。ユーロ内で揉めている様では、世界共通通貨など到底無理だと思います。
【参考】
元外交官・原田武夫の国際政治経済塾
「露呈したユーロ崩壊に向けた壮大な仕掛け」リンクより引用
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(前略)
繰り返しになるが、日本では米英マーケット、あるいは米ドルの動向ばかりに気をとられるのが一般的で、こうした激動する欧州情勢に特に注目し、とりわけ大陸欧州のメディアを手掛かりにマーケットとそれをとりまく国内外情勢を分析するとの観点を持つ大手メディアは皆無であるといってよい。しかし、かつて戦前日本の政府高官が語ったとおり、正に「欧州情勢は複雑怪奇」なのである。金融資本主義は本来、米国ではなく欧州、しかも大陸欧州各国で始まったシステムであるということをあらためて思い起こしつつ、今起きていることが、近未来にとって持っている意味合いを考えなければならないのだ。
■「ユーロ崩壊」に備えよ!!
(中略)
このコラムでは盛夏に入る直前、ユーロについて「崩壊する仕掛け」がある可能性に言及した。事実、8月に入るとグルジア紛争と相前後してユーロが対ドル・円レートで大幅に下落し始めたことは記憶に新しい。
(ユーロ崩壊!?地中海連合に見る英仏独“三国志”リンク)
その後、10月の頭に起きたフランスとドイツのさや当てを、そうしたユーロ下落の延長線上に置いて考え直してみると、やはり以前のコラムで「ユーロ崩壊の仕掛け人」の可能性があると指摘したフランス(サルコジ大統領)がまたしても一連の出来事に際して主役であることに気づく。その後の展開からしても、フランスがユーロの崩壊を望んでいるかのような動きを続けていることが目について仕方がないのである。
ユーロを支えている基盤は2つある。1つは、旧西ドイツ・マルクの幻影。そしてもう1つはこれまで続いてきたドイツの好景気、とりわけ不動産バブル経済である。
前者は1990年にドイツが統一し、その際にマルク建てのドイツ国債を旧東ドイツ地域の復興のためと銘打って世界中で売りさばいたことによる。これで世界中がいわばマルクの“共犯”となり、そのためにマルクが高騰し、その延長線上にユーロが成立したのである。だからこそ、ユーロに責任を持つ欧州中央銀行(ECB)はドイツのフランクフルトにあるのだ。したがって、ユーロは一見したところEU全体のプログラムのように見えて、もっとも得をしているのはドイツではないかという疑念が常に付きまとっている。これをフランスが面白く思うはずもないであろう。
だからこそ、ドイツ経済の「不況」入りが間もなく公的に宣言されるかもしれないというタイミングで、あえてフランスが仕掛けてきた可能性があるのだ。今のドイツにEU域内全域の金融機関を救うほどの余力はない。そもそも米国由来のリスク資産に基づく損失額は1,000兆円規模であることが徐々に明らかになる中、それをまかなえるだけのカネなどドイツが出せるわけもないのである。
しかし、EU全体でこうした域内救済プログラムを決めたとなれば、当然、大国として自認し、実際そのように行動してきたドイツとしては応分の負担を免れないだろう。まさに無間地獄である。したがって、ドイツとしては体を張ってでもこうした救済プログラムは阻止しなければならないのである。
だが、ここで聡いのがフランスである。フランスがEU議長国となってあれやこれやと名目上は「救済」のために汗をかいているポーズをとっているのに、ドイツが応じないということになると、ますますドイツ・フランスは離反していく。
歴史的に見ると、ドイツ・フランスの和解こそが、ユーロの前提であるEUの、そのまた大前提なのだ。ドイツ・フランスの離反という、歴史に逆行する事態を目の当たりにするにつれ、ユーロは徐々に人々から見放されていくことであろう。当然、フランスとしては第2のユーロのためのシステムを提案するという流れになるはずだ。
まさに「欧州情勢は複雑怪奇」なのである。これから始まる本当のストーリーをしっかりと中長期的にも見極め、「潮目」を見据えていかなければ、私たち日本の個人投資家はこの歴史的なシステム大転換の中でチャンスをものにすることはできないのである。
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(引用おわり) |
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