日本を守るのに、右も左もない
190305 政府紙幣論をめぐって
 
岩井裕介 ( 36 山口 再開発プランナー ) 08/10/21 PM09 【印刷用へ
今回の金融破綻を契機に、政府紙幣(国家紙幣)論が再び登場してきたことは興味深い。

政府紙幣論といえば、03年頃〜日本のデフレ脱却の手法として議論されてきた経緯がある(ウィキペディア:政府紙幣リンク )。統合階級およびマスコミからは黙殺され続けてきたが。

丹羽春喜氏(189724)、岩國哲人氏(190206)、平沼赳夫氏(190207)など経済学者、政治家の論説のほか、ブログetcでも政府紙幣への言及が見られる。従来の路線上で、内需対策として政府紙幣活用を提案するものも多いが、金融資本主義(=金貸し支配)からの脱却→新経済システムを志向しているものも見られる。

※丹羽春喜氏の政府紙幣論
・今や、救国の秘策は ただ一つあるのみリンク 
・金融大混乱を乗り切る経済政策は、いかにあるべきかリンク 

※ブログetcでの政府紙幣への言及
・今こそ政府は「政府紙幣」を発行すべき(福井プログラマー生活向上委員会)2000.10.08 リンク 
・さて、そろそろ「政府紙幣」発行の是非について話そうか(切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog)2008.09.25 リンク 
・反ロスチャイルド同盟 あべよしひろ氏の国家通貨と地域通貨の提案 リンク
などなど

さらに、こうした政府紙幣の実現可否についての論考。

●政府紙幣(灼熱)2005.08.03 リンク より
> 政府紙幣発行は、大きなリスク・危険を孕む「政策」であることを同時に理解しなければならない。それは、中央銀行を通じ貨幣を発行し、通貨の流通が貸し付けから始まるという現在の「経済システム」を崩壊させてしまうほどの威力をもつ強烈な手段が政府紙幣の発行だからである。政府紙幣の発行で国債を発行する必要がなくなるのである。つまり、国際金融家がイングランド銀行の設立から300年以上も「維持」してきた権益(経済システム)を破壊してしまう行為が政府紙幣の発行であると理解しなければならないだろう。日本が政府紙幣を発行するということは、国際金融家=英米政権の反対を押し切り“宣戦布告”する覚悟と、その後の“制裁”を受ける覚悟が必要となるだろう。

●「レス3:「政府紙幣」は発行できない! − 政府紙幣が無視し続けられる理由 −」(晴耕雨読)2007.07.02 リンク より
> 金融家は、中央銀行制度を確立することで、経済社会を貨幣経済化し、日々の経済活動が自分たちの利益に直結するようにしたのである。
> 貨幣流通が中央銀行の貸し出しから始まるのが近代経済の特質である。

> 世界経済支配層は、“あまりにも虫が良すぎる”政府紙幣で経済が順調に運営できることをみんなが知るようになったら困るのである。(300年を超える奮闘で築いてきた権益システムがパーになってしまう)
> 日本政府が「政府紙幣」を発行できるときは、米国連邦政府が「政府紙幣」を発行するときか、日本が“独立”を果たしたときである。

--
上記、両者とも一年以上前の記事であるが、政府紙幣のメリットを理解しつつ、実現には懐疑的であることは共通している。その理由は、近代世界300年の金貸し支配の根深さ→「金貸し支配を覆すことはまだ不可能という状況認識」その一点につきる。


しかしこの数ヶ月、金融破綻により、状況は全く変わった。

1.近代→現代が行き着いた金融システムの崩壊が誰の目にも明らかに。金融幻想は完全に吹き飛ばされた(金融先進といわれた米英×、金融立国といわれたアイスランド、スイス×)。

2.今後どこまで続くかわからない金融機関の損失補填→公的資金のためには、大量の国債発行が不可避。国債の金利負担増→財政圧迫をどうする?⇒そもそもなんで国債?という議論は当然出てくる。あるいは、国債引き受け先は実質中央銀行しかなくなる⇒そもそもなんで国債?(国家紙幣と同じ)という議論は当然出てくると予想される。

3.より大きくは、米国覇権の終焉が世界共認になりつつある。金融優遇から金融規制へと潮目が変わりつつある。さらには、反金貸し共認がひろがりつつある。

こうした状況下で、今後どこかの段階で、政府紙幣実現の動きが出てくるのが必然ではないかと思う。
 
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