国の借金は、物的市場拡大のGDP信仰の中、市場の拡大を目標に公共事業や社会保障を中心につぎ込まれてきた。しかし、貧困が消滅して豊かになった1970年代以降、物的需要が上向くはずもなく、結局、借金でGDPを維持するに至っている。
一方で、今までの日本の国債収支システムは、国家と日銀と銀行の国内トライアングルの中、国家を守る形で維持されてきたと言っても良い。実態は、国家が金を発行しているのと同じである。よって、上記の借金によるGDP維持も可能であった。
しかし、現在、郵政民営化や民間銀行・保険会社・企業の外資株主比率の上昇etcにより、この国内トライアングルはどんどん崩れかけている。
このシステムを崩すことが、国際金融資本(金貸し)の目的である。
具体的に2006年の国債保有比率を見てみると、
郵便貯金:19.8%
民間銀行・保険:30.8%
日銀:11.4%
家計:4.5%
その他:33.5%
であり、郵便貯金と民間銀行・保険会社の保有だけで半分以上となる。
今まで国債を買い支えてきた機関が、民営化と株式保有により、国際金融資本に乗っ取られてきている。最近では造幣局まで民営化させたがる。ここで日銀を乗っ取ることにより、彼らは、完全に日本を生かすも潰すもコントロールが可能となると考えている。
彼らは、日本の国債システムを潰すことにより、日本に自ら金を貸せる。日本国の金貸しとなれる。そしてアメリカのFRBと同様に利子により直接楽をして金儲けが出来る。
日本は今後、CO2地球温暖化問題による排出権取引により、多くの借金を必要とする。金を貸すネタも着々と出来上がっている。
●では、この状況から私達はどう脱出すればよいのか?
○新しい仕事(活力源)を創出する。
まず、日本は物的需要は限界に達し、類的需要の時代に入っている。より重要なのが、新しい社会の可能性の提示である。具体的には、このるいネットでも議論されているように、新しい仕事を生み出すためには、需要を掘り出すベクトルではなく、新しい意識の潮流を捕らえて、新しい仕事を供給し需要を作っていくことである。
そしてその仕事が「みんなの役に立っている」と言う充足が活力を再生し、仕事意識が大きく活力へと転換する。国力=経済力の時代から、国力=活力への転換である。
この課題の具体性と「社会を変えられる。」と言う実現可能性がもっとも重要となる。
そして、この大転換の初期段階では、国家(みんな)からの支援金が必要となる。
○日本人の金を守る。
新しい活力源の創出の可能性が上がれば、それを実現するための支援金が必要となる。それをバックアップする日本人の金を守るために、まずは、国際金融資本(金貸し)支配から、どう脱却出来るか?が平行して解決すべき課題となる。
その中でも現状乗っ取られようとしている国債システムをどうするか?が初期の課題として出てくる。
金融機関は乗っ取られたとしても日本人の貯蓄は自分達のものであることは変わりはない。現状、個々人の債務を差し引いても、現状の国の借金を充分カバーできる貯蓄は日本人はもっている。まずは、それを彼らの支配から守らなければならない。そのための新しい案(国家銀行の設立、そこに金を移すetc)が必要である。
●素人による社会統合の場が必要。
上記の案や新しい案を具体化出来るのは、国際金融資本の支配を受けない素人である。
素人が、るいネット等の社会統合の場に集まり、知恵を出し合い、事実を集め、方針を構造化し、強固な共認域を作って行くことが、新しい社会を作って行く唯一の可能性ではないだろうか。 |
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